海外の長編小説ベスト100〜第6位(3)

(199)

 

しかしそのあとの7ページ間でラスコーリニコフの心にも雪解けめいた瞬間が訪れます。

 

彼はこう考えます。

「自分が選ばれるはずがないと思っていたけれど、そうと決まったわけじゃないぞ」

 

462ページです。

 

「彼女の信じることが、いまこのおれの信じることじゃないなんてことがありうるのか?」

 

彼の中ではソーニャは間違いなく「選ばれる人」です。

今ラスコーリニコフはソーニャとの一体感に酔っています。

その陶酔感がこの言葉を生んだのでしょう。

 

「彼女の感じること、彼女の意思、それだけでも……」

 

「それだけでも」共有できれば、自分も選ばれるかも、という非常に楽観的な思いつきです。

さすがにドストエフスキーもたしなめます。

 

「彼は気づいていなかった。

新しい生活は、ただで得られるものではなく、それははるかに高価であり、それを手に入れるには、将来にわたる大きな献身によって償っていかなければならない……。」


海外の長編小説ベスト100〜第6位(2)

(198)

 

この伝染病にかかると「強烈な自信をもって、自分はきわめて賢く、自分の信念はぜったいに正しいと思い」こんでしまうのだそうです。

その結果人々はお互いに理解しあえず、ひたすら殺し合いを始めるようになります。

人類は滅亡に向かってまっしぐらに突き進んでいきます。

 

確かに悪夢かもしれません。

 

ただ、悪夢というのはそれを見る人がいて初めて悪夢になります。

この夢の描写で不思議なのは、ラスコーリニコフがどの視点でこの夢を見たのか書かれていないところです。

 

夢の中で人類が滅ぼうと、地球が爆発しようと、神の目から傍観する限りはうなされたりしません。

ラスコーリニコフがうなされたのは、気が狂った人たちに襲われて殺されかかったからだと思います。

この状況で彼が知らされていることが二つあります。

一つは「自分もかつてこの病気にかかり、人を襲い、その結果囚われの身に堕ちている」こと。

もう一つは「汚れない、選ばれた人々は難を逃れられる」こと。

 

選ばれた人間であれば殺されなくても済むのに、自分はそうではない。

だから甘んじて殺されるしかない。

 

そういう意味での悪夢なのだと思います。

 


海外の長編小説ベスト100〜第6位(1)

海外の長篇第6位はフョードル・ドストエフスキーの「罪と罰」(光文社古典新訳文庫)です。

ちょうど「「罪と罰」を読む」の最終章と重なりました。

振り返ってみれは「「罪と罰」を読む」のプロローグが2009年の8月。

何と10年以上かけて読んできたことになります。

最終章にはどんな感動的なラストが待っているのでしょうか。

 

「罪と罰」を読む〜エピローグ第2章(第3巻444〜463ページ)

 

(197)

 

ついに最終章です。

 

まず、ラスコーリニコフがまだ自分の罪を反省していないことに驚かされます。

それどころか自分の信念や犯行が間違っていなかったことをますます力強く確信する始末です。

 

ずいぶん頑固なへそ曲がりですが、身体は虚弱です。

流刑地でも彼は熱を出してしょっちゅうひっくり返っています。

 

ある時入院中に見たのが謎の伝染病の夢でした。


「べっぴんの町」を観る(4)

で、柴田恭兵も実に無造作に路駐して向かったのが、

 

 

「REPLAY」という名前のプールバーです(1分52秒)。

 

エンディングロールに店の名前もあるので実在の店なのでしょう。

ところが今となってはどこにあったのか、どんな店だったのか全く分かりません。

 

主人公「私」はこの店で探し人を見つけて、店の外に連れ出します。

そこで本木雅弘が登場するのですが、

 

 

これがどこなのかもよく分かりません。

 

グレかけた少年に本物のヤクザの怖さを見せつけて更生させるという、非常に無理のあるシーンです。


「べっぴんの町」を観る(3)

ちなみに柴田恭兵が操るのはMGBというイギリス車だそうです。

英国車なのに左ハンドルというのが「外車は左ハンドルでなくっちゃ」という昭和な風潮を感じさせます。

 

車はJRの高架をくぐります。

 

 

ピアジュリアンのビルの場所に「月桂冠」の看板がどーんと目立っています。

「テルモ」の看板は今はありませんが、建物自体は変わってないようです。

 

 

車はこのまま直進するかのように見せて、次のシーンではサンキタ通りを西から東に向かってやってきます。

左車線は路駐車でびっしり。

そういえばこの時代は路駐天国でしたね。


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