タバコについて真面目に考える
(1)
先日医師の喫煙率が発表されましたが、その結果にびっくりしました。
調査によると約10%の医師がタバコを吸っているらしいです。
一般の方の場合は、JTのすさまじい物量のキャンペーンにごまかされて、タバコの害を理解できていない可能性があります。
しかし医師であればタバコの害ははっきり分かっています。
その医師の頭の中では
「タバコはよくない」「しかし健康よりも大切なものがあるので」「タバコを吸う」
という三段飛ばし論法が成立しているとしか考えられません。
「健康よりも大切なものがある」という点についてはある程度賛成できます。
たとえば死期の迫った患者さんにとっては「苦しい抗がん剤治療」よりも「人間らしい実りのある余生」が大切かもしれません。
「健康よりも大切なものがある」が「治療よりも患者さんの生活の質の方が大切である」に置き換わってくれる分にはいいと思います。
しかしこう置き換わる可能性もあります。
「患者さんの健康よりも自分の生活の質の方が大切である」
ハンドルをちょっと右に切るか左に切るかで医療に対する姿勢が大きく変わってくるわけです。
そして喫煙医師はどちらにハンドルを切りやすいでしょう?
喫煙医師に受診する時には、地雷を踏む覚悟が必要です。
(2017年3月8日)
(2)
すっかり勘違いしておりました。
政府が手を変え名前を変えて成立を狙っている「共謀罪」です。
日本人の生命や財産を奪い破壊しようという組織的犯罪を未然に防ごうという法律です。
私はてっきりこの法律の対象はこの人たちかと思っておりました。
自民たばこ議連
タバコが毎年何名の日本人の命を奪っているのかは、はっきり決められませんが、どんなに控えめなデータを見ても「911」の死亡者数を上回ります。
史上最悪のテロよりも多くの命を奪い続けていて、なお今後も奪い続けようと画策している組織が、日本の現行法律では取り締まれません。
「共謀罪」が成立した際には真っ先にこの犯罪組織を摘発してくれるものだと信じておりました。
どうやら違うようです。
私の勘違いでした。
しかし、とすると、逆に「共謀罪」は一体誰を取り締まろうとしているのでしょう?
自民たばこ議連よりも凶悪な犯罪組織があるとは思えませんが……。
(2017年3月10日)
(3)
受動喫煙の害を否定する考え方があります。
受動喫煙の調査研究については、揚げ足を取ろうと思えばいくらでも取れます。
まさに煙をつかむような研究ですから。
ある意味、素粒子の存在を証明するよりも難しい研究だと思います。
否定する人は、逆に「どうして受動喫煙の害を証明せざるをえなくなったか」を考えて欲しいです。
ラーメン屋でタバコを吸っている隣の客に「煙たいから消してください」と頼んだとします。
半分くらいの喫煙者はこっち側の手で持っていたタバコを反対の手に持ち替えて終わり。
残りの半分は「煙たかったら30分息を止めとけ」みたいな目つきで睨んで終わり。
みなさん、「煙たいからやめて」と頼んで、快く火を消してもらった記憶が一度でもありますでしょうか?
「煙たいから」とか「迷惑だから」という理由では喫煙者はタバコの火を消してくれません。
堀をず――っと遠くの方から埋めて埋めて、受動喫煙防止法という法律を作らざるをえなかったのは、声も力もない弱者にとってはそこにしか逃げ道がなかったからです。
調査の揚げ足を取って、これ以上弱者をいじめないで欲しいです。
(2017年3月13日)
(4)
喫煙者には喫煙する権利があるらしいです。
欠くべからざる生存権、とまで主張する人もいます。
彼らの訴えに従えば、喫煙宿泊者にはホテルの枕を焦がす権利があるそうです。
排水溝を吸殻で詰まらせる基本的人権も大切なようです。
横を歩いている子どもの目に火の点いたタバコを突っ込む権利も必要なようです。
それに比べると「せめてきれいな空気を吸いたい」などという主張は、確かに甘ったれたわがまますぎる主張だと思います。
以前からこのコラムで繰り返し書いてきたように、民主主義は発展途上のイデオロギーです。
「権利」も定義の定まった概念とはとても言えません。
喫煙者には喫煙者にとっての、タバコ弱者には弱者にとってのそれぞれ都合のいい「権利」があります。
お互いに噛み合うはずのない「権利」を振りかざしていては議論になりません。
「健康である権利」「吸い殻の落ちていない街で暮らす権利」「子どもが安心して生活できる権利」など、身勝手な権利たちをいったん全部横にどけて議論しようとすると、何が残るでしょうか?
今の日本では論点は一つしかないと思います。
愛国心。
オリンピックや観光で日本を訪れる人たちに「日本人はマナーがよくて街も清潔できれい」と感じてもらいたいです。
愛国心を持った日本人ならばそう思うはずです。
教育勅語を懐かしむよりも、日本をクリーンにするのが本当の愛国だと思います。
(2017年3月15日)
(5)
タバコに関して一番問題なのは医療関係者の発信力の低さです。
麻生太郎大臣の「喫煙率が下がっているのに肺がん患者は増えている、タバコは関係ないだろ」という発言に対して、医療サイドは「いや、タバコの害ははっきりしているので……」という面白くもなんともないコメントを出すのが精一杯でした。
正論はいつも退屈なものです。
とはいうものの、せめて
「肺癌になりやすい年齢層、つまり70歳以上の高齢者がものすごい勢いで増えているからですよ、同じ年齢層を比べるとちゃんと発癌率は下がっているからご安心ください」
くらいは言ってほしかったです。
もうちょっとスパイスを加えて
「年齢構成が変われば発癌率が変わることを知らないのはいいとしても、人口構成が変われば消費動向も変わることは理解した上で経済政策を立ててくださってるんですよね?」
くらい言ってもよかったかもしれません。
さすがに
「そんなすっとぼけた事言ってるからいつまでも財政赤字から抜け出せないんだよ」
と言うのは行き過ぎだと思いますが。
(2017年3月17日)
(6)
加熱式タバコを吸っている人を時々見かけます。
本人へも周囲の人へも害が少なくなるのであれば、リアルタバコから加熱式タバコへの流れは歓迎すべきことだと思います。
ただ、長らくタバコに苦しめられた人々からすると、外見がタバコにそっくりな加熱式タバコは精神的に非常によろしくないです。
ですからメーカーさんには一目で加熱式タバコと分かるデザインをお願いします。
たとえばこういうはどうでしょうか。
スイッチを入れると先端部に旗が立つのです。
こんな素敵なデザインなら私も一つ欲しいです。
(2017年3月22日)
(7)
こういうのもおしゃれです。
列車型や戦艦型のものも大ヒット間違いなしです。
(2017年6月7日)
(8)
タバコの未来社会実現のためには喫煙者、非喫煙者の歩み寄りが必要です。
こういう歩み寄りはどうでしょうか。
紙巻きたばこは販売中止とする、その代わり電子タバコは路上で使用可とする
非喫煙者からするとかなりの痛みを伴う譲歩です。
しかし全面的に電子タバコに切り替われば街はきれいになります。火事も減ります。
これくらいの譲歩は致し方ないでしょう。
さらに電子タバコに、紙巻きたばこ発売中止後、少なくとも2年間は外国製のものが認可されないような厳しい基準を設けましょう。
これならJTもウハウハです。
非喫煙者以外は、喫煙者もJTも日本政府も通行人も、誰も損をしないアイデアだと思います。
もう一つこういう歩み寄りはどうでしょうか。
既存飲食店では明確な分煙表示を条件に喫煙を認める、その代わり新規開業店は無条件で全席全時間帯禁煙とする
これも非喫煙者には非常に痛い譲歩です。
しかしこの案ならば、既得権益と業界利益のためだけに活動している議員さんたちも呑みやすいのではないでしょうか。
さらに駆け込み開店ラッシュによる経済効果も見込めます。
麻生さんもセメント会社もウハウハです。
日本経済のために、非喫煙者もこの程度は我慢するべきでしょう。
今、国民の健康のために塩崎厚労大臣が孤軍奮闘中です。
その孤独な努力は誰もが認め、賞賛するところです。
ですがもし、もし、抵抗勢力の理不尽な圧力に屈しそうになった時、これくらいの譲歩を見せても非喫煙者は裏切りとは考えないと思います。
塩崎大臣、肩の力を抜いて交渉に臨んでほしいです。
(2017年6月9日)
兵庫県知事に臨むこと
今度の日曜日は兵庫県知事選挙です。
過激な政策を打ち出すかと思われた候補者も、地域・文化が全く異なる460万人を相手にして、さすがに総花的態度にならざるをえないようです。
四人の主張を並べても違いがよく分かりません。
次の二点を公約にする人がいれば応援したいのですが。
1)飲食店分煙表示義務化
今までさんざん虐げられた非喫煙者からすると、飲食店全面禁煙なんてあまりに畏れ多すぎます。
せめて分煙度を入り口に明示して欲しいです。
空間分煙、時間帯分煙など、全面禁煙でない店は兵庫県指定のステッカーを貼り出す。
ステッカー制作、配布などに関する費用は飲食店が負担する(税金を一切使わない)。
全面禁煙の店は表示不要。
というのはどうでしょうか。ステッカーは1万円くらいになるかもしれませんが、お得意さんがカンパしてくれるでしょう。
もしかするとJTが補填してくれるかもしれません。
2)阪神タイガース二軍本拠地を神戸サブ球場に移転
オリックスバッファローズが大阪に完全脱出しました。
新知事には、阪神タイガースは大阪ではなく兵庫のチームである、と強調してもらいたいです。
そして鳴尾浜みたいな観客無視の球場ではなく、もっとまともなスタジアムで若虎を育てて欲しいものです。
本当はサブではなくメインスタジアム希望です(サブは駅から遠い)。
そしてゆくゆくは「阪神間タイガース」への改名もお願いします。
政策の違いがよく分からない。さらに、これは個人的考えですが、政治家は当選前の公約に縛られるべきではないと思います。
つまり選挙公約などあんまり意味がないということです。
と言って、人柄など二週間足らずの選挙期間で分かるはずがありません。
候補者を極限状態に放り込んで二週間生中継するのが一番だと思います。
食料のない無人島でもいいし、ゾンビに囲まれたホームセンターでもいいと思います。
昼間は体力勝負の食料調達、夜は焚火を囲んで徹底的に理想を語り合うことになるでしょう。
視聴率も取れそうです。
(2017年6月30日)
私たちの民度
(1)
知り合いに、「子供の夏休み自由研究の、何かいいテーマはない?」と聞かれました。
「スーパーのサッカー台にかごを置きっぱなしにしているのは誰か、調べて欲しい」と提案したのですが、即座に却下されました。
「電車に空き缶を置きっぱなしにしているのは誰か」よりは調べるのが簡単だと思ったのですが、残念です。
この流れで、野球少年たちに調べて欲しいことがあります。
甲子園を汚しているのは誰か?
高校野球の甲子園はかなり汚いです。
アルプススタンドは各校の応援団が掃除するのできれいだと思います(アルプスで応援したことがないので推測ですが)。
プロ野球の試合もまあまあ許容範囲内です。
問題は高校野球開催時の内野席です。
第一試合を目当てに来た客が、食べ物の残骸をそっくり残して帰ってしまうんです。
第二試合を応援に来た人がその席に座るのを分かっていて、ごみを残すんです。
これは相当たちが悪いです。マナーの良し悪しのレベルではありません。民度の問題です。
もちろん、基本的に私たち日本人全員の問題ですが、あえて言いましょう。
昨年は特に栃木代表の試合のあとがひどかったです。
栃木県の人が悪いのか、作新学院のファンが悪いのかは分かりませんが、とにかく汚かったです。
とは言うものの私が甲子園に行くのはせいぜい年に一度です。
統計的にはまったく根拠のない言いがかりです。
そこをぜひ野球少年たちに客観的に調べて欲しいのです。
春の選抜では、観客マナーも考慮に入れて選考して欲しいものです。
(2017年7月24日)
(2)
そう思っていると昨日、さっそく買い物かごの置きっぱなし現場に遭遇しました。
何となく予感はしていました、「あ、この人はかごを置きっぱなししそうだ」と。
六十代の、それなりに身なりのいい、仕事帰り風男性です。
すぐ隣で注目していると、自分の商品を袋に詰めて、かごを放ったらかしにして帰っていきました。
嬉しいような、寂しいような予感的中でした。
これも統計的根拠には乏しいですが、しかし、あえて断定します。
日本の民度をおとしめているのは、おっさん、おばさんです(私を含めて)。
特におっさんは普段、加齢臭で回りに迷惑をかけています(私を含めて)。
その分マナーやモラルには細心の注意を払いたいものです(私を含めて)。
(2017年7月26日)
(3)
衆議院は小選挙区と比例代表の二本立てです。
私たちは地域エゴに基づいて小選挙区議員を選び、職業エゴや階層意識や、イデオロギーや宗教観に基づいて比例代表の投票先を決めます。
さまざまな地域や、さまざまな仕事や、さまざまな宗教観やイデオロギーなどを満遍なく反映した議員数配分にしたいという理念なのだと思います。
それと同じ理屈で、「議員はさまざまなキャラクターを反映する存在であってもいいのではないか」と思ったりもします。
私たちの周りには、平気でセクハラする人もいれば、行列に割り込む人もいれば、会社の物品をネコババする人もいれば、暴言をヒステリックに叫ぶ人もいれば、その他いろんな人がいます。
現実にそういう人たちがいる以上、議員の中にもそういう人がいるのは、むしろ日本的民主主義の理念に近いのではないか、と思ったりもします。
よく評論家が「こういう人を選んでしまうのは日本人の民度が低いからだ」などと言います。
本当は逆で、「私たちの民度が低い以上、その低さを議員構成に反映させるべき」なのかもしれません。
あの生々しい叫び声の録音を聴いて、ついついそんな風に考えてしまいました。
(2017年7月28日)
優勝おめでとう!
(1)
広島カープがセ・リーグ連覇を果たしました。
昨年よりも苦戦した印象を受けましたが、実際にはほぼ同等の成績のようです。
それほどこちらの期待度が高かったということなのでしょう。
何はともあれおめでとうございます。
インターバルが長くなりますが、日本シリーズに向けてしっかりと調整してください!
(2017年9月20日)
(2)
前回の記事を読んで、「もう一つテンションが高くないなあ」と感じられた方、正解です。
胴上げ間違いなしと思われた9月16、17日のチケットを持っていたのですが、16日はまさかの敗戦、17日はまさかまさかの台風。
成果なく、広島からしょんぼりと帰ってきたのでした。
いやあ、16日の6回まではスタジアムも大盛り上がりだったのですが……(7回に追いつかれて、8回に勝ち越されました)。
こういう大一番に勝てないのがチームの若さなのかと思いましたが、個人的に気になる事もあります。
今年はカープ戦に5試合行く予定だったのですが、その結果は1勝3敗1台風でした。
シーズン勝率が6割を超えるチームなのに、私が行くと3割を切る勝率です。
9月16日も、私が行かなければ勝っていたのかも……などと思ってしまいました。
CS、日本シリーズには私は行きませんから、どうか頑張ってください。
(2017年9月22日)
(3)
テンションがもう一つ高くない理由がもう一つあって。
福井クンが今年は絶不調でした。
不調の理由ははっきりしています。
まず一つは、昨年の課題が何ら解決されていなかったこと。
送りバントが決められない。
相手の送りバントを処理できない。
下位の打者、特にピッチャーに無意味な四球を与える。
その四球をきっかけに突然崩れる。
もう一つは、昨年有効であったフォークとカーブが、今年はすっかり錆びついていたこと。
特にカーブについては、オフのインタビューで本人も「有効に使いたい」と言っていたはずです。
それなのに4月、5月の登板でカーブを投げることはありませんでした。
最初は「せっかくのカーブを投げさせない捕手が悪い!」と思っていました。
しかし冷静に考えるに、キャッチャーが投げさせなかったのは、使い物にならなかったからでしょう。
福井投手の昨年のカーブは、打者の打ち気をそぐ、言ってみれば「逃げのカーブ」でした。
今年は一岡投手がいいカーブを投げていました。
「逃げ」ではない、「攻め」のカーブです。
今年の福井クンは、本当ならあんなカーブを投げていたはずなのに……。
もう一つテンションが上がっていないのはそんな理由なのでした。
(2017年9月25日)
(4)
それとは関係ありませんが、甲子園でのファーム戦に行ってきました。
掛布二軍監督が退陣、そして江草選手、狩野選手、安藤選手も引退。
それぞれのラストプレーを目当てに詰めかけた観客のために、バックネット裏と一塁側内野席を開放しての甲子園開催です。
タイガースの先発はメッセンジャー投手、カープの主軸に堂林選手とエルドレッド選手。
ファーム戦とは思えないような豪華なラインナップです。
カープの若手選手の中ではともに94年生まれの美馬優槻(みま・ゆうき)選手と高橋大樹(ひろき)選手の活躍が目立ちました。
個人的に注目の船越涼太選手はヒットは出なかったものの、いい粘りを見せていました。
カープの捕手では坂倉選手が大注目を浴びています。
もしかするとこのオフでもう一人大型ルーキーが入ってくるかもしれません。
さらに打撃技術を磨いて、激しい競争を勝ち抜いてほしいものです。
(2017年9月27日)
神戸元町ダイアリー2017年(1)茶わん蒸しが食べたい!<main>神戸元町ダイアリー2017年(3)AIに支配されたい