前回の「トゥーランドット」が非常に面白かったので、またまたメトロポリタン・オペラのライブビューイングに行ってきました。
同じプッチーニ作曲の「マノン・レスコー」です。
「マノン・レスコー」は若きプッチーニの出世作です。
普通のオペラの展開に慣れた立場からすると話はむちゃくちゃです。
たとえば第1幕の最後で恋の逃避行に走った主役二人が、第2幕冒頭ではすでに別れています。
第3幕で男主人公デ・グリューは苦労の末にようやくマノンの船への同乗を認められますが、第4幕では何故か二人は荒野に野ざらしでしかもマノンは死にかけています。
普通の発想で書かれたのではなく、「大長編ラブロマンスの中から印象的な4つの場面に曲をつけたもの」くらいに解釈すると受け入れやすいかもしれません。
話はともかくとして、音楽は最高です。
この世の中のありとあらゆるオペラの中で最も美しい、と言ってもいいと思います。
ここまで美しいとはっきり言ってストーリーなんてどうでもいいです。
今回の上演は主役が美男美女で大変見栄えもよかったです。
セットも例によって大がかりで、特に急勾配の階段が大迫力でした。
大勢の登場人物が昇ったり降りたりしましたがそのたびにはらはらです。
(2016年4月6日)
ライブビューイングついでにこんなのにも行ってきました。
BABYMETALロンドン公演の生中継です。
生中継なので朝の4時半開始という非常にビミョーな時間帯でしたが会場は若いオーディエンスたちで盛り上がっていました。
歌詞も振り付けも予習できなかったので個人的には欲求不満の残るライブでしたが、いい企画だと思いました。
(2016年4月8日)
会場はZeppなんば大阪、2000人以上収容できる大型ライブハウスです。
ライブハウスだけに映画館のライブビューイングよりも音質がいいです。
巨大スピーカーのすぐ前に陣取って音圧を身体で受け止めるか、ホール中央部でバランスの取れた音響を楽しむかは個人の好みだと思います。
最前列中央は音が頭の上を飛び越えるのでかえって迫力には欠けるかもしれません……、
と、そんなことを考えていてふと、これだけグレードの高いライブビューイングが可能なのであれば何もリアルなコンサートに行く必要はないのではないか、などと考えてしまいました。
生音を楽しむクラシックなら別かもしれません。
ロックミュージックでは現場の客が耳にするのも一度電気信号に変換された音です。
ロンドン・日本間のデータ送信に問題がなければライブビューイング会場の客が聴く音は現場の音とまったく同じだと思います。
アリーナ席ならともかく、スタジアムのスタンド席でコンサートを聴く意味はないのではないでしょうか。
現場と上映会場とではライブ感が違うという意見もあります。
基本的に大人しく聴いて、盛り上がればスタンディングまではあり、というタイプのバンドであればもしかするとそうかもしれません。
しかしBABYMETALではモッシュあってのライブ感です。
スタンド席では、いや日本の会場ではアリーナ席でもモッシュは不可能です。
ライブビューイングでもモッシュが沸き起こるくらい盛り上がるバンドに限れば、リアル会場よりもライブビューイングの方がいいと断言していいと思います。
(2016年4月11日)
ライブハウスに行ったのはもしかすると10年ぶりくらいかもしれません。
その頃のライブハウスは薄汚い、タバコ臭い、床はベトベトで客層も(自分も含めて)よろしくないイメージでした。
そう言えば十三のライブハウスでライブ中に誰かが消火器をぶちまけて客も出演者も真っ白になったことがありましたっけ。
店内清掃のために客は真っ白のまま表に放り出されて、数十分通行人の好奇の視線にさらされました。
終演後も真っ白のまま電車で帰った、というのも恥ずかし懐かしい思い出です。
それはさておき今回行ったZeppなんばは何と禁煙でした。
(さらに驚いたことに売店にアルコールがなかったのですが、それは今公演限りのようです)
まさかライブハウスが禁煙になる時代が来るとは夢にも思っていませんでした。
しかし考えてみればその昔、「喫茶店」の「喫」は「喫煙」の「喫」だと真顔で言う人がいたくらいです。
喫茶店とタバコは切り離せない関係だと思っていましたが、今、コーヒーにこだわる喫茶店はごく普通に禁煙です。
その次にタバコと切り離せないと思われていた居酒屋やバーでも禁煙店が少しずつ増えています。
最後まで残るのはどこだろう? と考えてみるとすっごく平凡な答えですが、公共施設の中の喫煙コーナーだと思います。
しかしもしかするとそれすらも近い将来消えていくのかもしれません。
(2016年4月13日)
で、このままタバコを吸い続けていてもろくなことはありませんよ、今はチャンピックスといういい禁煙補助薬もあることだしとっとと禁煙しましょう、という風に話を持っていってもいいのですが……。
今私の家のキッチンはガスコンロですが、いずれはIHに替えようと思っています。
最近のガスコンロには賢いセンサーがついていて安全性も高いようですが、それでも実際に火を使います。
いろいろ先のことを考えてみると家の中に「火」がある状態はなるべく避けたいです。
認知症も心配だし、酒の酔い方だって年齢とともに変わっていきます。
いつまでもコンロを安全に扱えるとは限りません。というか絶対に危険です。
私はタバコを吸いませんからコンロをIHにすれば身辺からは火はなくなります。
しかし燃える炎を常に身近に携えている人々がいます。
「耐火性に乏しい家に一人で住む喫煙老人」が急速に増加しています。
このうちの一定割合の人たちが認知症になります。
今やタバコは嗜好品というレベルで片づけていい問題ではないと思うのです。
本人だけではなく家族や近隣への危険をもはらんだ文字通りの「火薬庫」だと思うのです。
(2016年4月15日)
「反・嫌煙派」という人たちがいます。
「ヒステリー」「ファシズム」「魔女狩り」などなど、ありとあらゆるセンセーショナルな言葉を使って嫌煙派をおとしめて、それによって喫煙文化を擁護しようとする人たちです。
喫煙者が嫌煙運動を嫌うのは分かります。
それに、日本の核武装を主張する人だっているのです。もはや誰が何を主張しようと驚きません。
それがどんな突拍子もない屁理屈でもびっくりしません。
問題は「反・嫌煙派」が往々にして文化人であったり高い地位の人であったり高所得者であったりするところです。
この人たちはおそらく「木造集合住宅に一人で住む認知症喫煙老人」のことなど想像もしたことがないと思います。
想像した上でまだ、喫煙は個人の自由の問題と片づけるのは発言力のある人としてはあまりにも無責任です。
考え方としては三つだと思います。
1)それでも個人の問題と割り切る、つまり火事で焼け死んでも自業自得、と
2)強制力をもって独居認知症老人からタバコを取り上げる
3)即効性はないが社会全体として喫煙率を下げる努力を続ける
普通の人が普通に考えれば答えは3)です。
そう考えると、タバコの広告をやめさせる、TVでの喫煙シーンを控えさせる、というのはむしろ穏当なやり方だと私には思えます。
しかし「反・嫌煙派」が1)を主張してもびっくりしないように、心の準備はしているつもりです。
核武装を主張する人もいるくらいですから。
(2016年4月18日)
嫌煙をヒステリーだと言う人がいます。
それは当然なのです。
嫌煙派がヒステリックになるのには理由があります。
喫煙者のほとんどは喫煙コーナーや、喫煙車や、喫煙可のレストランを利用します。
そこで多くのマナーのいい喫煙者に接します。
ところがタバコが苦手な人はそうではありません。
喫煙可のレストランに入らない、喫煙車に乗らない、喫煙コーナーに入らない人の前に現れる喫煙者は全員がマナー違反者です。
つまり禁煙マークを守らない人、歩きタバコする人、ポイ捨てする人などなど。
これではヒステリックになるなと言う方が無理です。
ごく一部の不正受給者が報道されただけで生活保護世帯が批判にさらされます。
理屈としてはそれと一緒ですが、実際に煙たい分、切実なのです。
(2016年4月20日)
受動喫煙という概念に疑問を呈する人がいます。
受動喫煙の害を証明するのは非常に難しいです。
膨大な標本数と年月が必要です。
それでは結論が出るまでは何もしなくていいのでしょうか。
結論が出ていなくても危険性が否定されていなければ暴露を避けたい、と私は思いますが、それは私が医師だからでしょうか?
逆にどのジャンルの科学者が「危険性が証明されていないから安全」と考えるのか知りたいです。
そしてポイントはどうして多くの人々がこの難問に取り組んでいるか、です。
隣でタバコを吸っている人に「煙たい」と言ってすぐ消してくれるのならいいのです。
けれどもタバコを吸う人は「人が煙たいから」という理由ではなかなか消してくれません。
となると科学的根拠を持ち出すしかないのではないでしょうか?
受動喫煙研究の理不尽さを笑う人がいますが、ただ理不尽なのではなく、喫煙者の横暴ゆえの理不尽と理解すべきです。
(2016年4月22日)
そこでふと思い出しました(わざとらしい)。
チャンピックスという禁煙補助薬があります。
いろいろな方に試してもらいましたが「タバコがそれほど欲しくなくなる」のは間違いなさそうです。
最終的には意志の問題ではあるのですが、従来の方法に比べると禁煙成功率は飛躍的に高いです。
認知症になるまでにはタバコをやめようと思っておられる皆さま、どうぞご相談ください。
(2016年4月25日)
クリニックのトイレのジェットタオルを入れ替えました。
メーカーによってはハンドドライヤーとかエアータオルと呼んだりもするようです。
温風で手を乾かす機械です。
交換中はご不便をおかけしました、申し訳ありません。
ところでジェットタオルですが、自分で設置しておいて言うのも何ですがあんまり乾かないですよね。
私も外で手を洗う時はジェットタオルはあてにせず最初からハンカチで拭きます。
外で観察してみると、ほとんどの人が3秒程度風を当てて、あとはズボンで拭いたり、水気の付いた手で髪の毛を整えたりしています。
WEBで「速く乾かす方法」と検索しても大した記事は出てきません。
そこでせっかくですからクリニックのジェットタオルでいろいろ試してみました。
結果としては一番いいのは
「20回手を振って水滴を飛ばしたあと手もみしながら乾燥させる」
でした。これだとちょうど20秒で完璧に乾燥します。
(ジェットタオルでしっかり乾かした手はハンカチで拭いた時よりもさらさらして気持ちいい、というのは皆さんご存知だと思います)
手を振るのが15回では30秒以上かかります。
逆に30回振っても時間は短縮されません。
20回で20秒です!
クリニックの機械は家庭用の低出力のものです。
おそらく公共施設に設置してあるものはもっと強力だと思います。
ぜひ一度20-20方式をお試しください。
(2016年4月27日)
今までこういうタイプのヘッドフォンを使っていたのですが、
首が凝って凝って仕方がないのでこういうタイプのものに買い替えました。
とにかく軽いので楽です。
これまで大きな勘違いをしていたことに気づきました。
てっきり耳全体を覆う(上のもののような)タイプの方が音漏れが少ないのかと思っていましたが、そうではありませんでした。
またてっきり上のタイプの方が低音がよく再生されるのかと思っていましたが、これも違いました。
たった二つの機種を試しただけで結論づけることはできませんが、「でっかければいい」というわけではなさそうです。
(2016年5月6日)
ヘッドフォンなんて音が出ればいいと思っていたのですが、さすがにこれだけ違うと音質の大切さがよく分かります。
今のヘッドフォンでモルゴーア・クァルテットのすごさを再認識しました。
特にチェロの細やかなニュアンスと超・超絶技巧。
前のヘッドフォンでは歌いまわしの繊細さが全然聞き取れなかったのでした。
ところでピチカートのグリサンドとかアルコでの打撃音とか、おかず的な特殊奏法は藤森先生のアドリブなのだろうと勝手に想像していたのですが、実はすべて譜面に指定されていたそうです。
噂ではプログレ第三弾も企画中とか。
個人レベルでももちろん楽しみですが、本当なら世界レベルで評価されて世界レベルで大ヒットしてしかるべき偉業だと思います。
日本コロムビア頑張れ!
(2016年5月9日)
ついでにこれも。
クルレンツィスの「春の祭典」です。
今やすっかり手垢のついた古典に落ちぶれた感の「春の祭典」ですが、この演奏は初めて聴いた時のドキドキ感を思い出させてくれます。
逆にこういう衝撃演奏が出現するようになった、というのが本当の古典になった証拠かもしれません。
実はこの演奏は前のヘッドフォンで聴いても、実はもう一つピンと来なかったのでした。
いい音で聴かないと真価が伝わらない演奏はいい演奏なのか? という疑問はどこかに放り出して、とにかく今のヘッドフォンで聴く分には面白い演奏です。
(2016年5月11日)
ついでにこんなCDもあります。
朝比奈隆が聖フローリアン修道院で大フィルを振った演奏です。
いろいろな意味で「伝説」とされる40年前の演奏ですが、確かに雄大で掘りの深い演奏です。
これを聴くとつくづく「ブルックナーの欠点は短すぎること」だと思います。
この演奏を「伝説」たらしめている一つの要素が第2楽章のあと偶然聞こえてきた鐘の音です。
今のヘッドフォンではかろうじて聞こえます。
しかし第1楽章のあとに聞こえると言われる小鳥の鳴き声はよく分かりません。
つまり今のヘッドフォンの力量は「鐘は聞こえるが小鳥は聞こえない」レベルということなのでしょう。
どのくらいの値段のヘッドフォンなら小鳥が聞こえるのか、怖いので考えないことにします。
(2016年5月13日)
この週末に名古屋に行ってきました。
最近旅行らしい旅行をしたことのない私にとってはこれでも結構大旅行です。
最初の目的はこれ。
名古屋の人に「山本屋をもって煮込みうどんを語ることなかれ」と言われたので地元民御用達の店をチョイスしてみました。
大須観音駅近くの「たから」です。
「山本屋」は芯が残った「うどんじゃなくて団子だろ」的な麺ですが、「たから」の麺は普通レベルに腰のしっかりした麺でした。
地元民御用達だけに「山本屋」よりももっとヘヴィーでワイルドなのかと想像していましたが逆でした。
味噌もマイルドで、立地や店の雰囲気とは異なりずいぶんソフィスティケートされた味噌煮込みうどんなのでした。
(2016年5月16日)
次なる目的はこれ。
「クラシック音楽の伝道師」松本大輔によるレクチャーコンサート「青年モーツァルト〜愛と絶望の日々」です。
天才モーツァルトにも不遇の時代があった!
そのいわゆる「パリ時代」を一流アーチストの演奏で俯瞰するという企画です。
松本大輔氏は時に声を荒げ、時に声を詰まらせ、聴衆を飽きさせません。
レクチャーというよりも講談と呼びたくなるような公演でした。
(2016年5月18日)
正直言うと、クラシックで作曲者の境遇を曲解釈に持ちこむのは好きじゃないのですが、ここまで徹底するとあっぱれです。
伝道師(笑)としてはこの芸風で続けるのがいいかもしれません。
それにしても会場となった宗次ホールは素晴らしいホールでした。
あとで聞くと、CoCo壱番屋の創業者宗次さんが私財を投じて建設したホールなのだそうです。
ココイチファンの私は「それを先に知っていれば!」ととっても悔しかったです。
それを先に知っていたら何をしたかったか、いまだに思いつきませんが。
せいぜいココイチカレーを食べて宗次さんを応援しようと思いました。
(2016年5月20日)
そして日曜日、行ってきました!
ナゴヤドームでのカープ対ドラゴンズ戦です!
本当はこれが今回のメインイベントのはずでした。
オープン戦から好調だったカープの福井くんはローテーションをがっちり守り、毎週日曜日に登板。
この日も福井くんの好投を楽しみにしていたのですが、3週続けてのふがいないピッチングでまさかまさかの二軍落ち。
主役(私にとっての)不在の野球観戦となってしまいました。
結果は投手戦というより貧打拙攻戦の十二回延長引き分け。
まあ、四時間半たっぷり野球を楽しめてよかった! と考えることにしましょう。
(2016年5月23日)
スタッフがこの週末にカープの応援に行ってきたそうです。
この週末と言うと、鈴木誠也選手の二試合連続のサヨナラホームランではないですか!
スタッフはその二発を現場で目撃したそうです。
うらやましい。
スタッフの写真から、試合前の練習風景、
それから翌日のスポーツ新聞。
デイリースポーツは第一面と最終面を使った見開きです。
カープグッズコーナーでも51番コーナーは大人気だとか。
まさに「神ってる」勢いですね。
(2016年6月20日)
カープみやげです。
これが噂の「カープ三色ボールペン」。
三色と言いながらどれも「赤」です。
それから、これ。
「カープ・レッドノート」です。
中のページも真っ赤です。
このノートにさっきの三色ボールペンで書けば無敵です。
(2016年6月22日)