ラヴェルの「子どもと魔法」の紹介です。
記事掲載時にはYoutubeにリンクさせていましたが、今回は文章だけで。
ですのでちょっと意味不明です。
(1)
ラヴェルのオペラ「子どもと魔法」のストーリーを70文字で説明すると、
動物たちがいじめっ子に仕返ししようとするが、子どもにも優しいところがあると気づく。
いじめっ子も動物たちの姿を見て愛し合うことの大切さを知る。
という感じでしょうか。
でもこの70字でも説明過剰かもしれません。
もっと単純に
変なキャラがいっぱい出てきて歌ったり踊ったりして、最後は勢ぞろいして何となく感動的な幕となる
と言った方が正しいかもしれません。
そんなキャラクターたち、まず登場するのが肘掛椅子と安楽椅子です。
普段から子どもの乱暴さが腹に据えかねていたようです。
(2016年2月1日)
(2)
次が大時計。
先ほど振り子を引っこ抜かれてしまったのです。
そして粉々に叩き割られてしまった中国茶碗とティーポット。
(2016年2月3日)
(3)
暖炉の火。
火かき棒で散々突っつかれたのがお気に召さないようです。
その次が壁紙の絵の羊飼いたち。
壁紙が引きちぎられて、描かれていた少年と少女は離れ離れになってしまったのでした。
(2016年2月5日)
(4)
手抜き企画、まだまだ続きます。
次に登場するのは絵本の中のお姫さま。
本が引き裂かれておとぎ話の結末が分からなくなってしまいました。
そして教科書の中の算数の先生と数字たち。
(2016年2月8日)
(5)
そこに雄ネコと雌ネコが登場します。
ネコも子どもに尻尾を引っ張られた被害者ですが、仕返しよりもじゃれあうのに一生懸命のようです。
そして虫とカエルの抗議の大合唱。
(2016年2月10日)
(6)
庭の木たち。
ナイフで切り付けられて痛がっています。
それからトンボ。
これは結構悲しいです。合いの手はウグイス。
(2016年2月12日)
(7)
それからコウモリ。
これもちょっとしゃれになりません。
最後のキャラクターはリスとカエル。
カエルにはあんまり被害者意識がないようですが。
(2016年2月15日)
(8)
これだけ荒唐無稽なお話なので、どう演出するかがこのオペラの見どころです。
私は今までは抽象的な舞台の方がいいと思っていました。
歌手には着ぐるみを着せず、背景も簡素にしつられた、いわば通(つう)向けのステージ。
でもこうして変なキャラクターたちを並べてみると、考え方が変わってきました。
もしかするとぶっ飛んだデザインの着ぐるみのドタバタ劇の方がいいかも、と。
たとえば漫☆画太郎とかどうでしょう(ラヴェルファンと正統オペラファンの皆さん、ごめんなさいっ)?
などと思っているとニュースが飛び込んできました。
小澤征爾の「子どもと魔法」がグラミー賞を受賞したそうです。
今まではマイナーだった「子どもと魔法」の認知度がこれで多少アップするかもしれません。
それにしても世界のオザワも、まさか漫☆画太郎と同じ文脈の中で語られるとは夢にも思っていなかったでしょう。
(2016年2月17日)
(9)
長々と「プルチネッラ」や「子どもと魔法」について書いてきましたが、こんなコンサートがあるのでした。
どちらも演奏時間40分ちょっと。
通常のオーケストラやオペラで取り上げるのはちょっと難しいサイズです。
ところがこの二つを組み合わせるととっても洒落た、とっても粋なプログラムになります。
このカップリングは指揮の西牧潤氏のアイデアですが、これを勝手に「芦屋フォーマット」と名付けました。
どこかでこのプログラムを見たら「芦屋フォーマットだ!」と言ってやってください。
(2016年2月19日)