神戸元町ダイアリー2013年(4)

以前、喫煙者がどうして嫌われるのか書いたことがあります。
マナーのいい喫煙者がタバコを吸うのは、喫煙エリアだけです。
マナーのいい喫煙者がタバコを吸っているところを、タバコを吸わない人が目にすることは基本的にありません。
逆に言うと、タバコを吸わない人の目に入ってくるのはマナーの悪い喫煙者だけなのです。
嫌煙運動が感情的すぎると言う人がいます。
しかしタバコを吸わない人が感情的になるのには理由があります。
タバコを吸わない人の目には「喫煙者=マナーが悪い」と映っているのです。
「喫煙者の中にはマナーの悪い人が多い」とか「ほとんど全ての喫煙者がマナー知らず」というレベルではありません。
「喫煙者は100%マナーが悪い」と見えているわけです。
これでは感情的になるなと言う方が無理です。

そういう意味では、時々目にする透明なガラスで仕切られた喫煙エリアはいい考えだと思います。
「マナーの悪い喫煙者はごく一部なんですよ」という、いいアピールになっています。
あとは「喫煙者による吸いがら掃除大会」を定期的に開催すればさらに効果的だと思います。
愛煙政治家のみなさん、パフォーマンスの見せどころですよ。

 

(2013年10月2日)

タバコを吸わない人の目には全ての喫煙者のマナーが悪いかのように見えている、というのと同じ現象がもう一つあります。
生活保護です。
普段私たちは誰が受給者であるか知らずに生活しています。
私たちが生活保護受給者を見るのは、不正受給者のニュースにおいてだけです。
これでは「受給者=悪」のように見えてしまうのは当然かもしれません。
受給者の厳しい生活を紹介する番組も、たまにあります。
しかしワーキングプア問題も解決されていないのに、貧しくて苦しい生活をただアピールしても同情は得られないのではないでしょうか。
一番効果的なのは「セイフティネットのおかげで助かった」という、感謝と前向きな姿勢が感じられるメッセージだと思います。

同じお金なら「これっぽっちしかくれないのか」と言う人よりも、「こんなにくれてありがとう」と言ってくれる人に使って欲しいものです。

 

(2013年10月4日)
 
この欄で時々書いていますが、生活保護の判定は生活保護受給者にしてもらうのがいいと思います。
保護費を受け取りに来たついでに何時間か窓口に座ってもらうのです。
生活の苦労が分かっている人が判定するのですから、非人間的な「辞退の強制」などは起こり得ません。
さらに生活保護費用を予算の2.5%に固定しましょう。
総額が決まっているので無制限に受給者を増やすと自分の取り分が減ります。
お役所仕事として不正を取り締まっている人よりも、より厳しい態度で不正に臨んでくれるでしょう。
また窓口に座っているのは、健康面の問題などで本来仕事ができない人たちです。
窓口の対応が拙かろうと時間がかかろうと、申請者が文句を言うことはないはずです。
判定は困っている人同士が相談しておこない、役所の担当者は事務手続きだけおこなうという仕組みがいいと思います。

 

(2013年10月7日)

山崎豊子が亡くなりました。
出す本出す本、ことごとく骨太で衝撃的で、新作の刊行が一番楽しみな作家でした。
徹底的なリアリズムに、血沸き肉躍る権力争い。
男性作家以上に骨太で、いや、はっきり言って山崎豊子ほどカルシウム値の高い人は少なくとも男性にはいません。
(山崎豊子の次に骨太な小説を書くのは高村薫だと思います。)
代表作を一つ選ぶとすれば、小説の枠組みが保たれていた中期の作品でしょうか。
「白い巨塔」の第一部を単独作として選択できるのであれば、これ。
それがだめなら「華麗なる一族」だと思います。

 

(2013年10月9日)

アメリカではトム・クランシーも亡くなってしまいました。
基本的に、ハイテク武器が大活躍するスケールの大きなポリティカルサスペンス小説を書きまくった人ですが、ビジュアル的ツボをはずしていたのかもしれません。
アメリカ万歳の内容にもかかわらず、案外映像化に恵まれませんでした。
どの小説も、アメリカが大ピンチに陥る前半はすこぶる面白くて、後半の大逆転勝利は退屈、というのが共通するところです。
保守でタカ派を絵に描いたような人で、もう少し長生きをしていれば次の小説では、ジャック・ライアンの私兵が正義のためにオバマを暗殺していたことでしょう。
お薦めとしては「日米開戦」の「上」とか「合衆国崩壊」の「1」あたりでしょうか。
後半はぐだぐだになるのですが、それが分かっていても前半のドキドキ感は最高です。

 

(2013年10月11日)

ストラヴィンスキーの「春の祭典」という曲があります。
激しいリズム、無慈悲な不協和音、野蛮な大音響にあふれたこの曲は、100年前の初演ではセンセーショナルな話題を惹き起こしました。
一世紀を経てなお、この曲のインパクトは衰えていませんが、ここ数年で大きく変わったことがあります。
演奏者を悩ませていた複雑な変拍子の練習が簡単になってきたのです。
十六分の二、十六分の三、十六分の四、八分の三……というリズムの連続を、従来のメトロノームを使って練習するのは事実上不可能でした。
今ではコンピュータを使えば簡単にリズムパターンをプログラムできます。任意のテンポで効率よく練習できます。
演奏者は音楽の本質とはあまり関係のないスポーツ的訓練から解放されて、より音楽的な練習に専念できるようになったわけです。

さあ、新時代の「春の祭典」はどんな響きがするのでしょうか。
「春の祭典」の実演は、10月19日(土)、夜7時から兵庫県芸術文化センター大ホールで聴けます。

 

(2013年10月16日)

19日公演のプログラムの2曲目はチャイコフスキーの交響曲第6番です。
天才チャイコフスキーが、死の直前に、最後の交響曲の最後の楽章で奇跡のような高まりを見せます。
いつも考えてしまうのは、ワーグナーの影響について、です。
チャイコフスキーがこの楽章でワーグナーを意識していたのは間違いないと思います。
ところがその響きからワーグナーを聴きとるのは難しい。
この「ワーグナーらしくなさ」をどう考えればいいかが、ずっと分かりませんでした。

それほど難しく考えなくてもいいのかもしれません。
音楽史的にワーグナーの直系と見なされているブルックナーやマーラーでも、交響曲中にワーグナー的音響を聴きとるのは案外難しいです。
聴いてすぐ「あ、これはワーグナーだ」と分かるのは、リヒャルト・シュトラウスやフンパーディンク、実にワーグナーの半世紀あとに生まれた作曲家たちです。
精神的影響が音響的に具体化するのにはそれくらいの時間が必要ということなのでしょうか。

 

(2013年10月18日)

最近のハリウッド映画のネタ切れ感は半端ありません。
大作と言われる映画はほとんどが過去のヒット作のリメイクかスピンオフです。
「スパイダーマン」などはわずか10年でのリメイクで、しかもストーリー的にも特殊効果的にも3D的にも全く見るべきところがない、典型的劣化コピーでした。

ただ、砂漠に咲く花があるように、ネタ切れハリウッドでも時々きらりと光る新人が現れるのが面白いところです。
才能のある人がいないのではなく、いつまでもヒット作の焼き直しにしがみついているプロデューサーたちに問題があるということなのでしょう。

 

(2013年10月28日)

しかしマンネリシリーズの生き返り策として「ビギニング」という手法を確立させたのは、ハリウッドの功績かもしれません。
こういうやり方は日本でもどんどんパクっていいと思います。
日本のドラマで「ビギニング」が気になるのは、やっぱり「水戸黄門」と「遠山の金さん」です。
まずはどーんと劇場版を公開して、TVシリーズ再開につなげてはどうでしょうか。

問題は主役です。
堺雅人の顔しか浮かんでこないのが困ったところです。

 

(2013年10月30日)

今回の「産地偽装」騒動について何か気の利いたことを書こうと思ったのですが、全く何も思い浮かびません。
レストランでは迷わず一番安いワインを注文して、スーパーでも値札しか見ない私には、「産地偽装」を語る資格はないようです。
ただ、ネーミングは大げさなのに大したことがないなあ、と思うものはいくつかあります。
「昼網」や「A5牛肉」を美味しいと思ったことがない、というのは以前書いたことがあると思いますが、最近ひどくがっかりさせられたのはアサヒスーパードライの「エクストラコールド」です。
スーパードライの切れ味をさらに高めるためにマイナス2℃の状態でサーブするというコンセプトのようです。
2℃という設定がどう間違っているのか、あるいはジョッキの保冷がうまくいっていないのか、とにかくあんまり美味しくありません。
スーパードライは、冷凍庫で凍る寸前まで冷やした350mlの缶を、缶のままで飲むのが最高だと思います。
凝ったデザインのサーバーであんまり美味しくないスーパードライを出すくらいなら、冷凍庫で10分冷やした350缶を出して欲しいです。

 

(2013年11月1日)

ついでに食べ物関係です。
辛いものが好きなので、辛さが選べるカレー屋に行くと一番辛いメニューを頼みます。
初めて行く店では店員さんが「辛いですが大丈夫ですか?」と訊いてきます。
こういう時、基準になる目安があると便利です。
「ココイチ」の10段階表記はどうでしょうか?
全国展開のチェーンですし、私が食べた限りでは店による辛さの差は感じられません。
「辛口:辛いものが好きな人向け、激辛:一口食べると汗が噴き出します、超激辛:インド人もびっくり」
というような目安をメニューに載せている店もありますが、それよりも
「辛口:5ココイチ、激辛:7ココイチ、超激辛:10ココイチ」
と書いてあれば日本中の人に分かってもらえると思うのです。
と、ビールとカレーの話を書いたところで重大なことに気がつきました。

 

(2013年11月6日)

そうなのです、アルコールも辛い物も、お尻の病気にはあまりよくないのです。
お尻の病気にもいろいろな種類があって、それぞれよくない理由は微妙に異なりますが全般的に「アルコールと辛い物はお尻によくない」と考えていいと思います。
ですからお尻の病気の治療中は、こうしたものを控えなくてはなりません。
ここではもう一歩考え方を進めましょうか。

アルコールや辛い物を摂ると痛みを感じる人は、普段は無症状でも病気が隠れている可能性があります。
大腸の検査に対して積極的になった方がいいと思います。
とするとお尻の痛みは大腸の病気の早期発見のきっかけになるかもしれないわけです。
お酒を飲んだ翌日、あるいは辛い物を食べた次の日にお尻に痛みを感じる人は、どうぞご相談ください。

 

(2013年11月8日)

以前この欄で「モヤシは弱火で炒めるのがコツ」と書いたことがあります。
モヤシ以外でもいろいろな野菜を試していますが、なかなかいい感じです。
弱火で炒めておけば、汁物に入れたホウレン草やチンゲン菜も最後までしゃきしゃきしてくれます。
つつかず、混ぜず、ひっくり返さず、極弱火で10分間放置するのがいいみたいです。
逆に、弱火でことこと煮込んだ方が美味しいと思っていたジャガイモやニンジンですが、電子レンジで加熱した方が美味しいのではないかと思うようになってきました。
炒め野菜はじっくり、煮野菜はレンジで素早く、というのが今私の中での流行です。

 

(2013年11月11日)

弱火で炒めた方が美味しいのは野菜だけではありません。
最近気に入っているのは鶏肉です。
油を敷かず、皮を下にして、弱火で10分間放置します。
それで全部に火が通ればそれでよし、10分で火が通らなければ裏返してさらに10分弱火。
皿に取る直前に塩コショウで味付けするだけ。
まず包丁を入れて厚さをそろえて、皮に焦げ目をつけて、蓋をして高温で蒸し焼きにして……と、今までやっていたことは何だったんだろう? と思ってしまいます。
何より、弱火料理だとフライパンが傷まないのが最大の利点です。

 

(2013年11月13日)

フライパンと言えば、以前はそこそこの値段のテフロン加工のものを使っていましたが、コーティングが剥がれてすぐ使い物にならなくなってしまいます。
ある人が「高いフライパンでもすぐ使い物にならなくなるのだから、安いものを短期間で買い替えた方がいい」と言っていたのを思い出しました。
確かに9千円の高級フライパンが2千円のものの4倍長持ちするかと言えば決してそんなことはありません。
それなら開き直って2千円のフライパンを毎年買い替えた方が得です。
と考えて2年前に一番安いフライパンを買ったのですが、実はこれが案外長持ちして、びっくりしています。
弱火&混ぜない調理法は実践していますが、基本的には毎日のように普通に酷使しているのに、コーティングは買った時のままです。
どうやらフライパンの値段は丈夫さとは全く関係がないようです。

 

(2013年11月15日)

弱火で野菜炒め、弱火でチキンソテー、とくれば次に試したくなるのはチャーハンです。
フライパンの中央に、サトウのご飯をレンジせず・ほぐさず置いて、その周囲に野菜や焼き豚など具材をばらまいて、そのまま弱火で加熱しました。
10分経ったところで味付けしながら簡単に混ぜて終了。
さすがにパラパラにはなりませんでした。
今後の工夫の余地はありそうですが、焦げと戦いながら苦労して作った強火チャーハンに劣らないものにはなりました。
オムライスに使う分には全然問題なしです。
料理が得意な人は手間をかけて下ごしらえして、強火でがんがん調理すればいいと思います。
時間も技術もない人には「弱火で放置」がお薦めです。

 

(2013年11月18日)

ご飯とパンなら断然ご飯派です。
ところが基礎代謝の低下とライフスタイルの変化とともに、ご飯を食べる量がめっきり減ってしまいました。
今や米飯を食べるのは、多くて週に二、三回、しかも一回当たり一合以下です。
こういう状況になってくると「サトウのご飯」に頼ることが多くなってきます。
そして「サトウのご飯」に頼ることが多くなってくると、ご飯がいかに主食として不便か思い知らされます。
週に一度ご飯を炊いて小分けにして冷凍しておけばいい、と言われれば100%その通りです。
しかし世の中の人すべてが正論にのっとって生きるなら、二槽式洗濯機だって消滅しなかったと思うのです。
ご飯の美味しさにとことんこだわる人のために、高級炊飯器を開発するのは結構なことです。
その一方でご飯の機能性を高める工夫がもっとあってもいいと思います。
それと同時に、何となく感じる、「サトウのご飯への後ろめたさ」を何とかして欲しいです。
普段は食パン、こだわる人はホームベーカリー、のように普段はサトウのご飯、こだわる人は炊飯器、のような風潮になってくれるといいのですが。

 

(2013年11月20日)

インド料理店がたくさんあって、神戸はカレー好きには居心地のいい街です。
その一方で「白いご飯」がメニューにない店があるのは困りものです。
濃い味も薄い味とも調和して、大きな具材がごろごろしているタイプのカレーともさらさらのスープカレーとも上手く絡み合う「ご飯」と比べると、ナンはかなり不自由です。
脂分が多いのも気になります。
インド料理店のみなさん、ぜひメニューに「白いご飯」を加えてください。

で、その延長線上で日本政府はインドにジャポニカ米を普及させましょう。
一度食べてみれば、カレーに最も合うのはナンでもインディカ米でもなく、ジャポニカ米だということはすぐ分かってくれると思うのです。
ジャポニカ米市場はいきなり5倍以上に広がります。
減反の廃止レベルではなく、街中の駐車場を全部田んぼにしないと追いつかない事態になるのではないでしょうか。

 

(2015年11月22日)

新聞紙上での連日の反・特定秘密保護法案キャンペーンに飽きてきたせいか、「秘密」という文字が見えただけでその記事をスルーしてしまう自分がいます。
それではいけないと思って法案の条文を読んでみました。
マスコミがこぞって大反対しているので、てっきり取材と表現の自由を著しく制限する法案なのかと思ったら、マスコミの活動に直接言及する部分はありませんでした。おそらく

(秘密の漏えいを)共謀し、教唆し、又は煽動したものは、五年以内の懲役に処する

という部分が問題なのでしょう。
素人考えでは、スパイ天国という蔑称を返上するためには、この文の頭に「我が国の安全保障を損なう目的で」という一文をつければいいように思えます。
つまり「秘密を漏えいさせた」ことと「外国もしくは反社会勢力の指示による」の二点が立証されて初めてこの罰則が適用されるという形です。
防衛に関する情報を外国に流すのは国益を損なうので当然罰則が適用されます。しかし防衛産業の腐敗(もしあるとすれば、ですが)をあばいた場合は、逆に国益を守ったわけですから罰則を免除される仕組みが必要ではないでしょうか。

 

(2013年11月29日)

冷戦時代が終わってスパイ小説もやや下火になってしまいました。
スパイものの醍醐味は、正体がばれるのではないかというハラハラ感。
あと、敵からどうやって情報を盗み取るか、そのテクニックの多彩さも面白いところです。
最も単純なのは金や女を使って秘密を聞き出す方法ですが、それとは正反対に愛国心を逆利用する方法もあります。
上司がスパイであるというウソを愛国心に満ちた職員に信じ込ませて、上司から守るために秘密を盗みださせるというテクニックです。
そういう高等テクニックの前には前回提案した追加も実効性に乏しいかもしれません。
しかし今の条文に基づいてスパイを捕まえたとしても、裁判では不毛な憲法論議に終始するに決まっています。
「我が国の安全保障を損なう目的で」という一文があれば、「中国の美人スパイと接触があったかどうか」あるいは「上司が不正蓄財を働いていたかどうか」などの事実関係で争うことができるので分かりやすいと思います。

 

(2013年12月2日)

法案を読んでみると「適正評価」の項目の詳細さに驚かされます。
条文の長さと重要さは比例しませんが、ここまで細かいと、法案の主たる眼目が「適正評価」にあることは一目瞭然です。
「適正評価」という言葉自体がきな臭いですが、内容も結構エグいです。
「飲酒についての節度に関する事項」や「情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項」などという評価項目を見ると、公務員でなくてよかったと思ってしまいます。
しかし国益に関与するのですからそれくらいの厳しさは当然と言えるかもしれません。
笑ってしまうのは、評価が免除される人たちがいることです。免除されるのは、

行政機関の長、国務大臣、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官、副大臣、大臣政務官 

おいおい、あんたたちこそ一番「適正評価」が必要なんじゃないか? と突っ込みたくなるリストです。

 

(2013年12月4日)

秘密が必要であることは誰でも分かります。
以前も書きましたが、たとえば原子力発電所の防御力です(2011年7月29日)。
労働条件に不満を募らせた作業員が火炎瓶を持って入口に詰めかけることまで想定しているのか。
憂国の士が小銃を乱射しながら乱入してくることまで想定しているのか。
急進的反原発団体が爆弾を載せたトラックで突入してくることまで想定しているのか。
あるいは北朝鮮の工作員がハイジャックした航空機で突っ込んでくることまで想定しているのか。

それは誰かがきっちりと責任を持って考えなくてはならないことです。
そして同時にその人は「その想定」を完全に秘密にしなくてはなりません。
もしかすると「誰が想定するのか」ということ自体も秘密にしなくてはならないかもしれません。
「秘密」について考える時に一番ややこしくなるのが、この問題です。

 

(2013年12月6日)

北朝鮮の緊張度が日増しに高まっています。
浮かんでくるのは「日本は北朝鮮にスパイを送り込んでいるのか」という疑問です。
当然送り込んでいるに決まっています。
情報源の政府高官を運用している、と言った方が正確ですが、外務官僚はやるべきことはちゃんとやっているはずです。
ただしこれも一切が最高機密です。
スパイを送り込んでいるのか、はもちろん、誰がそれを企画運営するのか、さらに誰がその運用者を任命するのか、全てを厳重に隠しておかなくては情報源の命が危険にさらされます。
そしてスパイの存在を隠すために、政府としては知っているのに知らないふりをすることも必要になってきます。
ミサイルの発射基地の場所も、発射の日時も、落下点も知っていたのに、怖がって見せる。
古くからの側近を粛清することも知っていながら、朝鮮中央テレビのニュースを見て驚いて見せる。
あまりの演技の上手さに、時々「もしかして本当に知らないのでは?」と思ってしまうほどです。

 

(2013年12月9日)
    
いろいろ考えてみると「秘密」の最も大切なポイントは「誰が決めるのか」だということが分かります。
この人が「秘密」と言うのなら仕方がない、そう思えるかどうかということです。
とすると組織のトップに自動的に秘密事項決定権を与えるのは絶対的にまずいです。
秘密を知り、それを秘密と決め、その秘密を守る、その最高責任者は国民の信託を受けている人であるべきです。
本当なら秘密の管理に適した人材を国民選挙で選ぶべきだと思いますが、差し当たっては参議院議員を充てておきましょうか。
私の印象では参議院議員は衆議院議員よりも口が軽そうですが、基本的に暇そうです。
「防衛」「外交」「警察」などの分野に対してアトランダムに人数を割り振って決めさせるのがいいと思います。
アトランダムに割り振ると、分野によっては何にでも反対する社民党や共産党の議員が入ってくる。それでは何事も決定しないのではないか、と危惧する人がいるかもしれません。
しかしそれは杞憂です。
これも私の印象ですが旧・社会党も共産党も秘密が好きな党でした。
「一緒に秘密を決めよう」と持ちかければ、きっと一番ノリノリで参加してくれるのではないでしょうか。

 

(2013年12月11日)

前回、共産党が秘密好きと書きましたが、もしかすると違うかもしれません。
私はてっきり共産党の役員は(選挙ではなく)根回しと談合で決まるものと思っていました。
ところが2010年の党大会では、162名が役員候補として推薦され、結果的に163名が選ばれています。
詳細が分からないのですが、党本部に推薦されていないのに選出された人が存在する可能性があります。
これはすごいことだと思います。
共産党はこの点をもっとアピールしてはどうでしょうか?
触れられたくないことだったらごめんなさい。

 

(2013年12月13日)
 
猪瀬問題をものすごく単純に想像するとこうなります(あくまでも私の勝手な想像です)。

徳洲会が新病院建設に便宜を図ってもらおうと選挙資金を提供

別件の選挙違反で徳州会のイメージがダウン

猪瀬サイドは徳洲会と縁切りしようとあわてて資金をつっ返す

あまりの冷たさに腹を立てた徳洲会がマスコミにリーク

この時点では徳洲会は、ちょっとお灸をすえるくらいで、まさかこんな騒動になるとは思っていなかったと思います。
ところが猪瀬知事はあれよあれよと言う間に自滅してしまい、一番びっくりしているのは当の徳洲会ではないでしょうか。
徳洲会が考えていた落とし所がどんなものだったかが気になるところです。

 

(2013年12月16日)

この時期になると「流行語大賞」とか「今年の漢字」などのニュースが話題になります。
今年初めて登場した言葉でもないし、流行もしていませんが、今年もっとも感心させられたのは「違憲状態」という言葉です。

「そりゃあ違憲か合憲かって言われたら違憲だろうけど、プロがちゃんと考えてやってるんだからさ、悪いけど素人は口を挟まないでくれる?」
みたいに上から目線で言われた時の気分悪さと、

「次にこんなことがあったら部長にがつんと言ってやるから、今度だけは頭を下げてやってくれ」
みたいなことを言う無能な中間管理職の哀れさと、複雑なテイストを見事に言い表した言葉だと思います。

願わくば、子どもたちがこんなずるい言葉遣いを覚えませんように。

 

(2013年12月18日)
 
宅配ロボットヘリが開発中だそうです。
あまりにSF的でもう一つぴんと来ないのですが、アマゾンに注文するとロボットヘリが30分以内に商品を届けてくれるのだとか。
当然の反応として「現実問題として、30分以内に届かないと困る物がどれだけあるんだ?」という意見が多くあるようです。
私もそう思いました。
30分どころか、たいていの物は今日が明日になっても困りません。
ロボットヘリなんて必要なんだろうか? と思っていました。
ところが最近、宅配業者がきっちりしているのか逆なのかよく分かりませんが、直接の受け取りにこだわるようになってきました。
不在がちだし、貴重品でもないから玄関前に置いておいてとどんなに頼んでも、帰宅してみると不在配達票がぺろんと一枚おいてあるだけ、ということがよくあります。
こういう時は思うのです。
「今帰ってきたからすぐ持ってきて」とオーダーできるような仕組みがあるといいなあ、と。

 

(2013年12月20日)

ハリウッドのネタ切れがいよいよ深刻化して、かと言って日本映画にもパワーがなく(というか、評判のいい「風立ちぬ」「清須会談」「永遠の0」を観ていないので)、全体として低調な今年の映画でした。
その中で強引にベスト3を選ぶとすれば

3位:「ヘンゼルとグレーテル」
グリム童話、あるいはオペラの映像化作品かと思って観ると腰を抜かすこと間違いなしのスプラッターホラーです。
容赦のない残酷描写はあまりに突き抜けすぎて逆に気持ちいいくらいです。
このジャンルが好きな人のみにお薦めです。

2位:「ザ・レイド」
インドネシアの格闘アクション。
タイの「マッハ!!!!!!!!」にも驚かされましたが、まだ格闘アクションにこんな可能性が残されているなんてびっくり。
このジャンルが好きな人のみにお薦めです。

1位:「パシフィック・リム」
怪獣VS巨大ロボットのバトルをド迫力でやらかしてくれます。
続編希望、できれば神戸で戦って欲しいです。
このジャンルが好きな人のみにお薦めです。

もともとは、万人にお薦めできる「華麗なるギャツビー」を第一位に推そうと思っていたのですが、
よくよく自分に正直になってみた結果、こういう順位になりました。
ちなみに第4位は「テッド」、第5位は「るろうに剣心」でした。
「ギャツビー」はいずこに?

 

(2013年12月25日)

年末年始は当直のお手伝いをしているのですが、この時期に多いのが浴室で亡くなるお年寄りです。

熱いお風呂、長時間、それに飲酒。
この三つの条件がよくないようです。

ジョギングで汗をかくのは気持ちのいいことです。
しかしジョギングが常に全ての人の健康にいいわけではありません。
炎天下に走れば熱中症になるし、ウォームアップが足りなければ足腰を傷めるし、心臓が悪い人は命取りになる場合もあります。
入浴も同じです。
国やマスコミはお年寄りに向けて「入浴は結構あぶない」という啓蒙活動をおこなうべきです。
できれば今晩から。
松本胃腸科クリニックは12月28日から1月5日まで休診いたします。
皆様、入浴には気をつけて、よいお年をお迎えください。

 

(2013年12月27日)

神戸元町ダイアリー2013年(3)はだしのゲン<main>神戸元町ダイアリー2014年(1)ゴーストライター


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