神戸元町ダイアリー2013年(3)

趣味の集まりなどで、健康法やダイエット法について訊かれることがあります。
……あるのですが、まともに答えさせてもらったことはありません。
たいていの場合私が口を開く前に、みんなが寄ってたかって答えてしまいます。

一番目の問題は、そういう場で語られる情報の多くが、医学的に正しくないこと。
二番目の問題は、私が「それは違う」と訂正する前に違う話題に移ってしまっていること。
三番目の問題は、「その場に立ち会っている医者が訂正しなかったからその情報は正しいに違いない」と受け取られること、です。

医者に健康法を訊ねる時は、マンツーマンで質問しましょう。

 

(2013年7月3日)

もやし炒めがどうも美味しくできません。
中華鍋で強火で炒めるのですが、水分が出てすぐしんなりしてしまいます。
しかし便利な時代です。
ネットで検索すると「何でも相談コーナー」のようなサイトがすぐにヒットします。
それによると、強火で炒めると細胞膜が壊れて細胞内液が漏れ出てしまうのだそうです。
調理されたものをすぐ食べるお店であれば問題ないのですが、家庭の場合は調理から口に入れるまでに時間がかかるのでその間にべちゃべちゃになってしまう、ということです。
試しに弱火で炒めてみると、時間を置いてもしゃきしゃきしていい感じです。

それはそれでよかったのですが、興味深いのは「相談コーナー」に寄せられる回答の数々です。
もやしを炒めたことがある人であれば、調理後に出てくる水分が水洗いの水とは関係ないことくらい分かりそうなものですが、「洗ったあと水切りをしっかりすればいい」という答えが結構多いです。
また、「強火でさっと炒めるのがコツ」と、したり顔で答える人の多さ。
もやしを炒めたことのない人の答えが、かなりの割合を占めているわけです。
もやしならいいです。
べちゃべちゃしたもやし炒めを食べても、健康には影響しませんから。
病気相談となるとそうはいきません。
たとえばお尻の病気など、普通の人は一生のうちに何度も経験するわけではありません。
ネット相談コーナーで答えてくれるのは、せいぜい1、2度しか経験したことのない人たちです。
他人の相談に乗るにはあまりにも心細い経験数だと思います。
中には「その病気でずっと困っている」、つまり経験豊富な人もいます。
しかし「ずっと困っている」ということは、それは「治っていない」ということです。
はっきり言えば、その人の治療法は間違っているのです。

ネットでの健康相談はそこそこにしておきましょう……、というお話でした。

 

(2013年7月5日)


アベノミクスの効果は絶大ですね。
さっそくタクシーに乗車拒否されてしまいました。
バブルの頃を思い出します。
あの当時はタクシーの乗車拒否がすさまじかったです。
三宮から芦屋に乗ろうと思っても「高速使わないのならダメ」と断られたこともありました。
景気が良くなるのは結構ですが、絶対に終電は乗り過ごさないようにしようと思います。

 

(2013年7月22日)

乗車拒否をするタクシーの言い分は「2時間待ってワンメーターじゃ、やってられない!」ということのようです。
そうやってより好みするから待機時間が長くなるのだと言いたくもなりますが、要は料金設定が現実的でないということだと思います。
昼間にタクシーを使うのは、公共交通機関の駅まで行くのが大変なお年寄りが中心ではないでしょうか。
短距離の利用客がほとんどでしょう。
昼間は今の料金設定でいいと思います。
夜間は初乗り運賃を上げてはどうでしょうか。
5千円以上の客を狙って2時間待つよりも、その間千円の客を5回乗せた方が効率がいいと思うのです。
この場合は短距離の客の方が喜ばれます。
というわけで「21時以降初乗り3キロまで1000円」という料金体系を提案します。

3キロといえばクリニックからだと、西は湊川公園、東は春日野道あたりになります。

 

(2013年7月24日)

暑い日が続きます。
フィリピンの方に聞くと、「日本の暑さはいやな暑さ」なのだそうです。
しかし高校球児はこの暑い中、全力でプレーしているのですね。
そこそこに頑張ってほしいと思います。
松本胃腸科クリニックは明日10日から18日まで休診いたします。
みなさまも栄養と水分と睡眠をしっかり摂って、よい夏休みをお過ごしください。

 

(2013年8月9日)
 
暑いですね。
外回りのお仕事の方は本当に大変です。
街のあちこちに簡単にシャワーを浴びれるようなところがあればいいのですが。
ネットカフェによっては安くシャワーを使えるようですが、数が限られているのですぐ利用できるとは限りません。
市内に複数の店舗を持つスポーツジムに入会しておけば便利そうです。もちろんそれなりの費用は発生します。
公共の体育館は民間のジムよりは格安ですが、シャワーだけ使うには割高です。
結局は銭湯が一番安くて使いやすいかもしれません。
神戸市内の銭湯の入湯料は1回410円です。
「15分以内なら200円」という短時間コースの設定があれば、もっと便利だと思います。

 

(2013年8月19日)

帰省すると必ずこの話になります。

TVの音声が聞き取りにくい!
何年か前に「絶対に面白いから」と、両親に「三丁目の夕日」を勧めました。
DVDを買って見始めたそうですが、途中で投げ出してしまったそうです。
ここ数年はNHKの大河ドラマも見なくなったとのこと。
いずれも台詞が聞き取れなくなった、というのが理由です。

そんな中で唯一見ているのが「半沢直樹」だとか。
そう言われてみれば、場面の多くは会議のシーンや、机を挟んでの上司と部下の対決シーンです。
そういう場面では言葉は大きな声でしっかりと発音されます。
ナレーションも親切すぎるほど親切です。
さらに大人向けの放送枠なので騒々しいコマーシャルが流れず、ストーリー的に爆発シーンや合戦シーンもありませんから、ボリュームを途中であわてて落とす必要もありません。
台詞が聞き取りやすい条件がそろっているわけです。

視聴率好調の理由については、いろいろな人がいろいろなことを言っています。
ドラマから離れていた高年層が、台詞が聞こえるので戻ってきたからだろう、とこっそり思っています。

 

(2013年8月21日)

アンケートで高年層の好きなTV番組を調べると、一位はニュースなのだそうです。
音量が一定なので言葉が聞き取りやすい、さらに要所要所にテロップが流れるので、部分的に聞こえなくてもさほど困りません。
確かに高年層向けのコンテンツだと思います。
一方、高年層向け番組と聞いて誰もが思い浮かべる時代劇は、どうでしょうか。
見たい番組リストでは上位なのに、現実には新作ゼロの状態です。
私の父も「鬼平犯科帳」は録画して繰り返し見ているそうなのですが、新たに作られる時代劇にはもう期待していない様子です。
その代りに人気があるのが韓国の大河ドラマです。
理由は簡単だと思います。字幕がついているから台詞が聞こえなくても困らないのです。

ネット環境の進化とともにTVの視聴率が全体的に落ちるのは当然です。
しかし今のTV局はあまりにも怠慢です。
台詞がはっきり聞こえて、字幕モードが選べる時代劇を作るべきだと思います。

 

(2013年8月23日)

と、そこまで考えると当然浮かんでくる疑問があります。

お年寄りにはオーケストラの音はどのように聞こえているのでしょうか?

年齢によって聴覚は衰えますが、周波数によって衰え方に差があります。
補聴器メーカーはその減衰率を把握しているので、シミュレーションが可能です。
80歳の人が聞いているオーケストラの音を、私たちが体験することもできるはずです。
何の根拠もない個人的なイメージですが、80歳を超えると指揮者の音楽の作り方が変わってくるような気がします。
80歳の聴覚疑似体験をすると、ハイティンクやマゼールの音楽作りの変化の秘密に迫れるかもしれません。

 

(2013年8月26日)
 
年齢による衰えは聴覚だけではありません。
目下の心配は「いつまで本が読めるのだろうか?」ということです。
今のところ電子書籍の必要性は感じていませんが、近い将来視力が落ちた時には、タブレットの活字拡大機能に頼ることになるのでしょう。

活字の拡大の方法には二つあります。
一つはページの表示自体を拡大するフォーマットと、もう一つは1ページ当たりの表示文字数を少なくして文字を大きくするフォーマットです。
前者では通常の読書には使い物になりません。
今後10年間で後者のフォーマットに統一されるといいのですが。

 

(2013年8月28日)

「はだしのゲン」は、少年ジャンプに連載中の頃に見た覚えははありますが、じっくりと読んだことはありません。
「マジンガーZ」目当てで少年ジャンプを読んでいた子どもには、「はだしのゲン」は絵柄もストーリーも暗くて面白くなかったのです。
連載誌を変えての続編や、単行本を追いかけることもありませんでした。
学校図書館での閉架措置が適切がどうかについては、何も語る資格がありません。
一つだけ言えることがあります。
もし陳情したのが私だったら、教育委員会はこういう対応を取らなかっただろう、ということです。
今回の一件の本質を「表現・思想の自由」の問題と捉えている論考は多いですが、そうでしょうか。
私たちが最も理不尽に感じているのは、「私の言うことは聞いてくれないのに、どうしてあの人の言うことは聞くのか」という点だと思います。

 

(2013年8月30日)

クレームにはまず、役所の受付や学校の教師など、現場のスタッフが対応します。
正当なクレームに対しては、指摘を感謝し、事態の改善を約束するでしょう。
不当なクレームに対しては誠実な態度をもって、訴えの不当さに気付いてもらえるように努力するでしょう。
ところが中には自分の不当さを分かろうとしない人、あるいは不当と知りつつクレームを繰り返す人がいます。
「クレーマー」とか「モンスターペアレント」と呼ばれる人たちです。
この人たちの相手をしていると現場作業が滞るので、上司が相手をします。
普通であれば、上司は数々のクレームをこなしてきたベテランのはずです。
ところが必ずしもそうではない仕組みの業界があります。
たとえば教師と教育委員会のような関係です。

 

(2013年9月2日)

現場経験豊富な教師も手を焼くモンスターペアレントを、全く現場経験のない順送り担当者が扱うわけです。

1点の差で落第が決まった生徒の親が怒鳴りこんできたとします。
教師ならこう言って突っぱねるでしょう、「その1点のために他の生徒は努力してきたのだ」と。
ところがその親が教育委員会に怒鳴りこむと、クレーム慣れしていない担当者が現場の決定をあっさりと覆したりします。
「1点くらい何とかならないか」と教師に圧力をかけたりするわけです。
気持ちは分かります、声も大きくて態度も威圧的なクレーマーに比べると、教師なんて従順なものです。
かくして及第した生徒の努力はないがしろにされ、システムは破壊されてしまうのです。
教育委員会を誰がどう任命するかというのが議論されています。
誰がどう任免してもいいです。
その代り、委員には最初の1年間はテレフォンコールセンターで研修を受けさせるべきだと、私は思います。

 

(2013年9月4日)

コープ兵庫カルチャースクールの第2回講座です。

「医師が語る本音の話」
サブタイトルとして
「その薬、必要ですか? その代金、必要ですか?」
今回も刺激的な話になりそうです。
11月1日(金)13時30分からコープ兵庫店です。
前回は満席でしたのでお早目のご予約をお薦めします。

 

(2013年9月6日)

甲子園の熱戦の数々を見て、「これが間違いなく世界の最高水準だ!」と信じていただけに、昨日のU18ワールドカップ戦の結果は衝撃的でした。
進学校とそうでない高校では、一流大学の合格率が違います。
進学校に優秀な生徒が多いのは当然ですが、だからと言って進学率の違いを「賢い子が多いから」で片づける人はいません。
普通は「優秀な生徒が多い上に、授業内容も優れているからだろう」と考えます。
ところがなぜか野球になると、力量の差を身体能力の違いで納得してしまいがちです。

本来なら日米両国のトレーニング方法に、どこか根本的な違いがあるのではないかと疑うのが自然だと思います。
甲子園出場を目指す新興高校の野球部は、ためしにアメリカのコーチングスタッフをセットで招聘してはどうでしょうか。
英会話も学べるし、リクルーティングにも有利だと思います。

 

(2013年9月9日)

この欄を読み返してみると、2年前の4月の段階では私は「2028年オリンピックを仙台で!」と思っていたようです(2011年4月8日)。
それほど的外れな発想ではなかったと思います。
復興のあかつきには、オリンピックを被災地で開催して全世界の人に感謝の気持ちを伝えたい、と思うのは自然です。
ところがこのタイミングで東京が立候補してしまいました。
今後50年間、仙台でのオリンピックの開催は事実上不可能になりました。
どんなに空気が読めないんだ、東京は! と腹立たしい気持ちも正直ありました。
しかし実際は空気が読めないのはこちらでした。
政府はこう言いたかったのでしょう。
「フクシマの現況を見てもなお、50年以内に仙台でオリンピックが開けると思っているわけ?」

つまり「フクシマは今後50年間は終息しない」と宣言したにも等しいTOKYO立候補だったわけです。

 

(2013年9月11日)

東京オリンピックにはぜひ新たな「お家芸」を新競技として加えて欲しいものです。
誰ですか、「体罰」という格闘技があれば日本が優勝できるのに、などと言っているのは?
私が提唱したいのは、クーベルタン男爵考案の近代五種に対抗する現代版混合競技です。
「ダンスダンスレボリューション」と「太鼓の達人」による第一次予選を通過した32人が第二次予選の「マリオカート」に進出。
4レース上位二人ずつの8人が「ストリートファイター」をトーナメントで戦う、別名「アキバ系四種競技」です。
今まで日蔭者扱いだった推定5000万人のゲームマニアに、夢と勇気を与えてくれる新競技だと思います。

 

(2013年9月13日)

東京オリンピック開催に期待することもあります。
禁煙の流れが先進国並みに、いやせめて二流国並みには進むでしょう。
身なりのいいビジネスマンがタバコを吸いながら歩いたり、ポイ捨てしたりする、いかにもアジア三流国のような風景は見られなくなることでしょう、きっと。
高級ホテルを自称しながら、ロビーはタバコ臭いなどという恥ずかしい事態も解消されるでしょう、たぶん。
回る寿司が禁煙で、回らない寿司が喫煙可という不条理な現象もなくなっていくでしょう、願わくば。
今、禁煙の飲食店に行くと、店員さんがすまなさそうに「全席禁煙ですがよろしいですか?」と訊ねてきます。
7年後にはせめて喫煙可の店の人に「うちはタバコ臭いんですがそれでもいいですか?」と聞かれるような世の中になっていて欲しいです。

 

(2013年9月18日)

もう一つ期待するのは、東京オリンピックによって世界の風呂事情が変わることです。
身体をきれいに洗ってからきれいなお湯にゆったりとつかる、日本の入浴流儀をしっかり発信して欲しいです。
日本が誇るウォシュレットは今や世界仕様の設備になりました。
ウォシュレット以上に日本的で、快適で、合理的であるFURO文化が、貧乏くさいBATH文化を一掃して、早く世界標準になりますように。

 

(2013年9月20日)

広島カープの16年ぶりのAクラス入りが決まりました。
カープの15年間の通算勝率は.453です。
仮に(勝率)=(Aクラス入りの確率)と考えると、この勝率のチームが15回続けてBクラスに留まる確率はおよそ1万分の1になります。
今年Aクラス入りしたことよりも、15回も続けてBクラスだったことの方が、もしかするとすごかったのかもしれません。
それはともかくここまで来た限りはぜひマー君に今年初めて黒星をつける球団になって欲しいものです(、おいおい)。

 

(2013年9月25日)
 
タバコほど男女のリスク差が歴然としている嗜好品はありません。
妊娠、子宮癌、乳癌、美容など、健康面でのリスクだけではありません。
夫の喫煙を許す女性は、今や少数派とはなりましたが、それでもまだそこそこ存在します。
一方、奥さんの喫煙を認める男性はいません。
正確に言うなら、女性が「この人と結婚したい」と思う男性は、奥さんの喫煙を許しません。
タバコを吸う人でも、奥さんには吸ってもらいたくないものです。
頭で分かっていてもやめられないことはあります。
雰囲気を悪くすると分かっていても愚痴をこぼしたくなることもあるし、明日早起きと分かっていても夜更かししてしまうこともあります。
そんなことは結婚の障害にはなりません。
しかし「分かっていてもパチスロがやめられない」「分かっていても浮気癖がどうしようもない」女性を選ぶ男性はいません。
結婚願望のある喫煙女性がどうして、「分かっていてもタバコがやめられない」ことだけが許されると思っているのかが、とても不思議です。

 

(2013年9月27日)

子どもの頃、努力するのを人に見られるのが恥ずかしかったものです。
自分の努力の結果が、さほど努力したように見えない友達よりも劣っていたら、自分の存在意義が否定されるように思われたからです。
大人になってアイデンティティが確立されてくると、考え方が変わってきます。
と言うか、実際は考え方としては逆で、努力と結果のせめぎあいを積み重ねてアイデンティティを確立させた人のことを「大人」と呼ぶのですが。 
大人の場合、自分のライバルは「もっと努力した自分」です。
ところが別の考え方をする人もいます。
肺活量が技能に直結する仕事に就いているにも関わらず、タバコを吸っている人がいます。
スポーツマンや歌手や管楽器奏者。
彼らはこう言います。

「タバコを吸ったくらいで歌えなくなるくらいなら、一流の歌手とは言えない」

その人が「一流」のラインをどこに置いているかは分かりませんが、彼が念頭に置いているライバルは「タバコを吸っていないのに自分よりも技量が劣っている人」です。
わざわざそんな微妙なレベルにライバルを設定しなくても、普通に「自分より上手いプレイヤー」をライバル視すればいいのに、と思うのですが。
タバコを吸う人は時々不思議な考え方をするので面白いです。

 

(2013年9月30日)

神戸元町ダイアリー2013年(2)頑張れ!安楽投手<main>神戸元町ダイアリー2013年(4)特定秘密保護法案


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