神戸元町ダイアリー2006年(1)

私は大晦日はのんびりと「紅白」を見て過ごしました。
視聴率や存続問題などとかく話題に上る事の多い「紅白」ですが、私は毎年楽しみに見ています。
普段全く歌番組を見ない者にとってはあの番組が唯一「今年どんな歌が流行ったのか」知ることのできる手段なのです。
それにしてもあの舞台裏は一体どうなっているのでしょう? 
インターバルに繰り広げられる華やかなショータイム、あの短時間であれだけの大人数が出入りするのです。
秒単位のスケジュールを組むためには出入りのリハーサルを相当繰り返さないといけません、しかしキュー出しの練習をしようにも曲順が決まるのは直前なのです。
舞台裏の采配がどうなっているのか想像すらできません。
そもそも楽屋の数が絶対的に足りないと思うのです。
「紅白」で歌われる歌の価値については私はよく分かりませんが、あのスタッフの技術は間違いなく世界一だと思います。 
その技術が育まれたのも「紅白」があったからこそだと思います。
ぜひ存続させて欲しいものです。

 

(2006年1月5日)

休みの日には時々献血バスに乗っています。
血液そのものも足りないのですが、献血バスで問診を担当する医師も足りないらしいのです。
そこで提案なのですが、新人医師の研修コースに献血問診を加えてはどうでしょうか。
献血の厳しい現場を知れば無駄な輸血は減るはずですし、問診医師不足も解消されます。
一石二鳥だと思います。

 

(2006年1月10日) 

以前読んだ本を時々読み返すのですが、ページの間から時々いろいろな物が出てきます。
ちょっとした買い物のレシートやレンタルビデオの伝票とか、美術展やコンサートの入場券。電車や船の切符が挟まっていることもあります。
そういう時、読む手を休めてしばし回想に浸るのもまた楽しいものです。
これからはレシートや切符などを意識的に本に挟み込んでおこうと思っています。

 

(2006年1月16日)

この間用事があって住民票を取りに行ったのですが、係の人の対応もいいし、手際もよくて感心しました。
でも見ていると、住民票は実に簡単な機械でプリントアウトされています。
あれなら将来的にはコンビニでも住民票がもらえるようになるのではないでしょうか。
カードを機械に入れさえすれば住民票や印鑑証明が手に入るし、年金の支払い状況なども簡単に分かる、そういう時代がもうすぐやって来そうです。
もちろんそのためには個人認証システムと連動したカードが必要でしょう。
そんなカードがあれば投票もオンラインで行うこともできるはずです。
かなりのコスト削減になりますし、公務員も大幅に減らせるのではないでしょうか。
マスコミの姿勢としては、住民基本台帳ネットはプライバシーが守られないから導入するべきではないという論調のようです。
しかし欠点があるからと言って全体を否定する姿勢はとても前向きとは言えません。
住基ネットのいち早い運用のためにプライバシーを保護できる新システムの開発を急げ! と政府の尻を叩くのがマスコミのあるべき姿勢ではないかと思うのです。

 

(2006年1月19日)

原作つきの映画を2本見ました。
「亡国のイージス」と「姑獲鳥の夏」。
どちらも原作のテイストを損なわない手堅い演出でなかなか楽しませてくれました。
特筆すべきは両作品とも演技陣がしっかりしていることです。
「亡国のイージス」では複雑な背景と苦悩を背負った役を寺尾總が、「姑獲鳥の夏」では優しさともろさを持ったデリケートな役を永瀬正敏がそれぞれ巧みに演じていて作品の深みを増しています。
お暇ならどうぞ。

 

(2006年1月23日)

2006年1月23日、IT長者としてテレビ画面や週刊誌を賑やかせていた堀江貴文社長が証券取引法違反の疑いで逮捕された。
素人には全くぴんと来ない罪状とマスコミ環視の中での派手な捕縛ぶりのコントラストが印象的な逮捕劇であった。 


有名人が逮捕されるたびにうんざりします。
マスコミは検察のリークする情報を無批判に垂れ流し、裁判所は勾留延長の大盤振る舞い、普段人権問題に大騒ぎするプロ市民たちも容疑者の接見の制限にはほおかむり。
これを見れば日本で罪を犯したアメリカ人もこの国のシステムでだけは裁かれたくないと思って当然です。
日本のジャーナリストに塩を送るようなことはしたくないのですが、一つヒントとして堀江社長の逮捕に溜飲を下げている人たちのコメントを今のうちにたくさん集めておくといいでしょう。
ニュースで流されるVTRで、堀江社長の笑顔が得意げであればあるほど逮捕という過酷な現実がワイドショー的に映えました。
今、堀江社長の逮捕に大喜びしている人たち、彼らはホリエモンによってあわや息の根を止められようとしていた業界や制度に守られていた連中です。
世襲、年功序列、談合、根回し、天下り、業界団体、族議員……。
今の彼らの喜色満面ぶりが近い将来ワイドショー的に生かされる日も近いでしょうから。

 

(2006年1月26日)

美容院に行く時いっぱい本を読もうと思って分厚い本を持っていきます。
でも髪の毛を触られた瞬間に寝てしまいます。
結局2、3ページしか読めなかった、ということもよくあります。
髪の毛に何かスイッチでもあるのでしょうか? 
いつも途中で椅子から転げ落ちそうになってお店の人には迷惑をかけております、ごめんなさい。
髪を切ってもらいながら店の人と楽しそうに喋っている人を見ると本当に尊敬してしまいます。
美容院で寝ないコツがあったらぜひ教えて欲しいものです。

 

(2006年1月30日) 

先日六甲道でタクシーを拾おうと思ったのですが、なかなかタクシーが乗り場に来てくれません。
西宮でもそうでした。
ニュースなどでは乗り場に2重3重に列をなすタクシーの映像が流れ、タクシーが増えすぎたと言っているのに不思議です。

 

(2006年2月2日)

今年はモーツァルト生誕250年なのだそうです。
そのためかモーツァルトにまつわる言葉がコラムなどで取り上げられることも多いようです。
この間は新聞にゲーテの言葉が取り上げられていました。
「モーツァルトは解きがたい一個の永遠の奇蹟である」。
ところがこの言葉の出典が分からないのです。
書簡ではゲーテは自身の「ファウスト」を音楽化できるのはモーツァルトだけだと語ったことがあるようです。
しかしゲーテの音楽評論を読む限り、彼の音楽に対する鑑識眼はお世辞にも高いとは言えません。
「説きがたい一個の永遠の奇蹟」などという言葉を残すとはとても思えないのです。

 

(2006年2月9日)

2005年、デンマークの新聞がイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載した。
これがイスラム社会の反発を呼び新聞社は謝罪、ところがこれに対して西側諸国が表現の自由を振りかざして再反発したためイスラム諸国での反デンマーク運動が激化した。 


偶像崇拝を忌避する宗教が神の姿を描くのを禁じるのは当然です。
しかしよく分からないのはムハンマドの姿を描くことも禁じられている点です。
イスラム教儀的にはムハンマドは神ではありません。
イスラム教は本来聖職者の存在自体も認めていませんから、彼は限りなく普通の人間に近い存在のはずです。
その彼の姿を描くことを禁じているのは「信仰心の浅い人々がムハンマドを神の代わりに拝む可能性があるから」という理屈のようです。
神を描いていけない理由と、ムハンマドを描いてはいけない理由が微妙に違うのです。
風刺画でムハンマドの姿が侮辱的に扱われたと憤るのは教徒にとっては率直で素朴な感情だと思います。
しかしその感情を推し進めていくとイスラム教が絶対的に否定している「ムハンマドと神の同一視」につながります。
宗教的指導者(教義的には存在しないはずの人々ですが)こそがこの事態を速く収拾するべきだと思います。

 

(2006年2月13日)

宗教に関する軽率な発言は慎んだ方がいいのではないかという助言をいただきましたので、今回は慎重に話題を選びましょう。
デンマークと言うと「ドグマ95」という映画製作集団を思い出します。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「幸せになるためのイタリア語講座」、「しあわせな孤独」など、見る人を不愉快にさせることをモットーとしたかのような作風の映画運動です。
どうしてデンマークという国でこういうムーヴメントが起こったのか私はよく知りませんが、イスラムの人たちもデンマーク商品の不買運動をするくらいなら、いっその事「ドグマ95」の映画を焼き尽くして欲しかった、というのはもちろん冗談です。

 

(2006年2月16日)

大丸ミュージアムの「ルオー展」に行ってきました。
大胆な筆致、それでいて一点一画揺るぎの無い配色、勢いと繊細さを併せ持った奇跡的な作品群です。
あふれるような生命力の一方でどの作品からも透徹した清澄感が感じられるのが不思議です。
今回展示された作品は全て出光美術館の所蔵品なのだそうです。
何よりもそれが最大の驚きでした。

 

(2006年2月20日)

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