神戸元町ダイアリー2005年(2)

最近パソコンやコンピュータソフトの解説マニュアルがPDFファイルとして本体に組み込まれることが多くなりました。
これが結構使いにくいです。
何が不便と言って、ぱらぱらめくれない、これに尽きます。
パソコンの登場によって「ぱらぱらめくる」ということがいかに優れた検索技術であるか、初めて痛感させられた次第です。
そういう意味で電子ブックの先行きにも不安があります。
夜タクシーに乗った時などは電子ブックが欲しくなります。
退屈な講演会の最中もそうです。
暗いところでも本が読める、電子ブックの存在意義はこの1点だけではないでしょうか。
と思っていたのですがもう1点ありました。
コミックです。
手塚治虫の「ブラックジャック」を全巻そろえようと思うと何十冊にもなります。
小説に比べるとコミックはかさばります。
いい歳をして部屋に漫画ばかり並んでいるのも見栄えがよくありません。
これがもしカード1枚に収まれば助かります。
ソニーさん、松下さん、電子ブックというハードを普及させたければコミックソフトに本腰を入れた方がいいと思いますよ。

 

(2005年5月23日)

ネコ派です。
ついでに言うとしょうゆとソースならしょうゆ派、うどんとそばならうどん派です。
そこで提案です。
よく「トラはネコ科の動物」と言いますが、これからは「ネコはトラ科の動物」と言うことにしませんか? 
その方がうちのネコも喜ぶと思います。

 

(2005年5月30日)

待合に置いてある「プレミア」という映画雑誌が今月号で休刊だそうです。
ハリウッドに偏らず、日本、韓国、ヨーロッパ、それにアジア諸国の映画まで幅広く紹介してくれる雑誌だっただけに、休刊はとても残念です。
それはそれとして、マガジンラックが一つ空いてしまうので代わりの雑誌を探さなくてはなりません。
何にしようか迷っているところです。


結局「プレミア」に代わる雑誌は見つかりませんでした。
仕方がないので以前から個人的に購読していた「レコード芸術」を並べることにしました。
というわけで待合の雑誌は「あまから手帳」「CREA」「芸術新潮」「ダ・ヴィンチ」「レコード芸術」というラインナップで今に至っています。

 

(2005年6月1日)


ホテルではどうして浴槽とトイレが同じ部屋にあるのでしょう?
風呂に入ると洗面台の鏡が曇ります。
ツインの部屋だと一人が入浴している間はもう一人はトイレに入れません。
さらに不愉快なのはドアノブとトイレの便座が湿気ることです。
第一、日本人なら身体をきれいに洗ってからゆったりと湯船につかりたいものです。
日本には「流し場と湯船」というとても豊かな文化習慣があるのに、わざわざ水事情の悪い国の貧しい生活習慣を取り入れる理由が分かりません。
もちろんビジネスホテルなら我慢します。
省スペースのためのユニットバスと思えば腹も立ちません。
しかし贅沢感を売りにするシティホテルであればベッドの大きさや調度品にこだわるよりもまず浴室とトイレを独立させて欲しいと思います。

 

(2005年6月6日)

 

「モーターサイクル・ダイアリーズ」という映画を見ました。
南米大地の埃っぽさがたっぷり味わえる映画です。
登場人物も素朴でストーリーもシンプル、でもとっても贅沢感があります。

素材を徹底的に磨くとこんなに素敵な映画が出来上がるのですね。

 

(2005年6月8日)

先週、歯医者に行ってきました。
検診のつもりだったのですが、奥歯が虫歯になっているから抜いた方がいいと言われました。
「痛みも出血もないんですけど……」
「症状が出てからでは遅いですよ」
日ごろは高血圧や糖尿病の人に「症状が出てからでは遅いですよ」と言っているのに、今回は同じセリフを言われてしまいました。

 

(2005年6月13日)

話題のクールビズ。
しかしカッターシャツの襟元はどうしてどれもあんな形なのでしょう。
女性のブラウスのようにいろいろなバリエーションがあってもいいと思います。
プロの手にかかれば涼しげでしかもフォーマルな印象を与えるデザインがいくらでもできそうなものです。
特にネクタイ業界の方は「襟元の専門家」のはずです。
これをビジネスチャンスと考えて素敵なデザインのシャツをどんどん作って欲しいものです。

 

(2005年6月16日)

カード詐欺の多発によって一気にバイオメトリクス認証の時代に入ってきました。
指紋や目の虹彩などによって本人かどうか機械が判定するシステムです。


SF映画などでそういうシーンがありましたが、まさか生きている間に実現するとは思いませんでした。
中には掌紋で判定するタイプもあるそうです。
どうせなら手相も判定して欲しいものです。
「金銭運が落ち込んでますからその買い物はやめた方がいいでしょう」とか「結婚線から判断すると今婚約指輪を買うべきではないでしょう」とかアドバイスしてもらえると助かります……よね?
(2005年6月20日)

「千夜一夜物語」を読みました(バートン版、ちくま文庫)。
ウィットの利いた2、3ページのショートショートから600ページにも及ぶ親子三代の超大河ドラマまで、信仰の尊さを訴えるありがたいお話からイソップ物語を彷彿とさせる動物寓話まで、描写も赤裸々なエロティックコメディーから、感涙必至の純愛悲恋ものまで、何でもありのおもちゃ箱のようなお話です。
登場する男はどいつもこいつも意気地がなくて嘘つきで怠け者。
それに比べて女性はみな美しく賢くて、ちょっとエッチ。
イスラム教やアラブ人のイメージが大きく変わりそうです。
ところで有名な「アラジン」や「アリババ」の話は原作にはありません。
「千夜一夜物語」をもとに自由に紡ぎ出された物語なのでしょう。
この物語は10世紀ごろから500年かけて緩やかに成立したらしいのですが、そもそもアラビア語の原典自体が複雑で、決定稿というのが存在しないようです。
とすれば私たちがよく知っている「アラジン」や「アリババ」も、「千夜一夜物語」の偽作というより「千夜一夜物語」そのものと考えていいのかもしれません。
つまり「千夜一夜物語」は10世紀から千年以上経った今も成立途上でなおも増殖し続けている壮大な「オープンソース」なのです。
さらに原作には語りだけでなく詩や歌も詰め込まれ、言わば「メディアミックス」のような様相を呈しています。
そう考えるとそこに含まれる媒体も小説に限定されません。
映画も音楽もれっきとした「千夜一夜物語」と考えてもいいのではないでしょうか?
たとえばディズニーの「アラジン」もリムスキー=コルサコフの交響詩「シェヘラザード」も……。
ある晩シェヘラザード姫が王様の耳元でささやきます。
「王様、今日はお話の代わりに素敵な音楽を聴きましょうか」
シェヘラザード姫の物語りは永遠に続くのです。
(2005年6月26日)

基本的にペットボトル飲料は飲まないのですが、この間飲んだ「爽健美茶」には驚きました。
ラベルが剥がれないのです。
一応ミシン目はついているのですが、ボトルのくぼみと重なっているためになかなか上手く切ることができません。
メーカーを調べてみると「コカ・コーラ」です。
そういえばコカ・コーラ自体もラベルが剥がしにくい作りになっています。
「コカ・コーラ」は分別回収に協力的ではないようです。

日本コカ・コーラ社のサイトによるとその後「爽健美茶」と「コカ・コーラ」のラベルは改良されたとのこと。
(2005年6月27日)

2005年6月ごろワイドショーを騒がせていたのが下の話題。
しかし当時も今も何を騒いでいたのかさっぱり分からない、というのが正直なところ。


若貴兄弟の確執が家政婦や奥さんまで登場してかまびすしいことになっています。
「土俵に上げないから女性が土俵の外で暴れるんだ」という声も聞こえてきそうです。
ところで相撲が今の形に落ち着いたのは江戸時代の後期だと言われていますが、当時の「勧進相撲」は見物人たちが輪を作ってその中で行われていたそうです。
見世物ですから当然見物人の中には女性もいたし、そもそも土俵自体がありませんでした。
庶民の間では人気があった相撲ですが、興行主はそれに飽き足らずお上のお墨付きが欲しくなります。
そこで将軍様に見物してもらうために客席から女性を排除しました。
相撲は見事「国技」の地位を手に入れたわけです。
そこに明治維新が起こります。
「将軍」に代わって今度は「天皇」に認めてもらわなくてはなりません。
そこでそれまで神社で細々と続けられていた「奉納相撲」の流儀を取り入れます。
つまり「神事」としての相撲をアピールしたわけです。
この作戦は成功しました。
明治政府は「相撲は神代の時代から続く伝統文化」と認めて国策に利用したのです。
とすると「伝統だから女性は土俵に上がれない」と言うより「女性を上げないことによって伝統文化っぽく装った」と言った方が正しいかもしれません。
確実なのは「時の権力者に媚びる節操のなさこそが相撲の伝統」ということでしょう。
今現在、相撲協会は女性の権威をまだ認めていない様子です。
女性のみなさん、まだまだ暴れ方が足りないのかもしれません。

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