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「罪と罰」を読む(第6部第8章)

(184)

 

同じページの

「じつはね、ぼくはさっき、げんこつで妹を脅かそうとしたんだよ。

それもね、最後にもういちど、こっちを見ようとふり返ったというだけでさ」

も変です。

 

実際のラスコーリニコフの行動はこうでした(397ページ)。

 

ふたりは最後に目を見かわした。

だが、妹がこちらを見つめているのに気づくと、いらいらして、むしろいまいましげに早く行けと手で合図をし、そのままさっさと角を曲がってしまった。

 

げんこつで脅そうとはしていません。

げんこつかどうかでずいぶんニュアンスが変わります。

ヒジョーに乱暴に意訳するなら、

げんこつでなければ「心配するな、ちゃんと自首するから」です。

げんこつなら「自首だと? とっとと帰りやがれ」です。

 

この捏造も、前の部分を「火薬中尉のところには行くが、自首はしない」と解釈すると理解しやすいです。

 

「自首しなかったらポルフィーリーは驚くだろうな、実際、自首を勧めてきた妹も脅かして追い返したことだし」

 

ラスコーリニコフの中では「自首しない」という選択肢がまだまだくすぶっているようです。

 

 


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