<< 潤一郎全集あれこれ(57) | main | 潤一郎全集あれこれ(58) >>

シベリウス「タピオラ」曲目解説

タピオラという缶詰をご存知でしょうか。

 

あまりの悪臭のために飛行機への持ち込みを禁じられている発酵食品です。

船便でしか輸入できないために日本で食べるのは非常に難しく、幻の缶詰と呼ばれています。

フィンランドの大作曲家シベリウスがこの缶詰のための曲を書いているので紹介しましょう。

 

 

00:00 曲は、北欧バルト海の波のうねりから始まります。凍てついた海の底でも生命は息吹いています。

00:47 ニシンの産卵の様子です。オスの放精によって海が真っ白に染まります。

01:22 受精卵はゆっくりと成長して孵化の時を待ちます。

03:57 おびただしい数の卵が一つ、また一つ孵(かえ)っていきます。

05:28 若いニシンたちが広大な海に向かって旅立っていきます。

07:00 未明の漁港を漁船群が出帆します。徐々に夜が明けていきます。

07:54 漁が始まります。網の中でぴちぴちとはねるニシンたち。

08:47 缶詰作業です。海で育まれた命が、缶の中に封じ込まれます。

11:40 ニシンは魚としての生涯を終えました。しかしそれは同時に、もう一つの偉大な生命活動の始まりでもありました。

12:58 発酵活動が始まりました。

13:27 悪臭成分が生まれていきます。高弦の細かな動きはアンモニアを、低弦はアセトアルデヒドを、木管は酢酸エチルを表しています。

15:18 さらに強力な硫化水素やピリジンが発生します。

16:10 いよいよ開缶の時を迎えます。作曲家はうっかり狭い部屋で開けてしまいました。部屋中に充満する悪臭成分、作曲家はのた打ち回ります。金管は断末魔を表しています。

18:16 作曲家は美しい幻影を見ながらこときれます。その魂は海に帰って次の世代の命として蘇ることでしょう。

 

(2018年4月1日


calendar
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>
selected entries
categories
archives
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM