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海外の長篇小説ベスト100〜第10位(8)

スタヴローギンは闇を抱えているとよく言われます。

 

これは間違いです。

彼は空っぽなやつです。

何にも抱えていません。

闇すら抱えていません。

 

スタヴローギンの「告白」が謎めいているとよく言われますが、何が謎かといって、何のためにこんなものを書いたのかがさっぱり謎です。

これを書くことによって赦しを得たい、そんな意味の言葉を、確かに彼は言います。

言葉は立派ですが、しかし肝心の行動が無茶苦茶です。

この時点で彼は妻殺しに加担しています、さらに別に二人の女性に二股をかけています。

赦される片っ端から罪を犯す気満々です。

新たな罪を犯したいから過去の罪を一つ帳消しにしておきたい、まるでタンスがいっぱいになったから着なくなった服を捨てよう、みたいなノリです。

 

チーホンもご立派です。

普通なら「赦されたいなら行いを改めなさい」と一喝するところです。

ところが彼はこう言います。

「そんな無茶な願いを聞き届けてくれるほど神様が寛大で偉大だと信じているのか、信心深いやつじゃ」

 

親鸞上人も赤面する大らかさです。


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