<< 海外の長篇小説ベスト100〜第10位(5) | main | 海外の長篇小説ベスト100〜第10位(7) >>

海外の長篇小説ベスト100〜第10位(6)

三分の一ほどまではこの読み方でも面白いです。

むしろ「この読み方の方が面白い」とさえ言ってもいいくらいです。

 

ところが中間部に突入すると、ステパンがすっかり色あせてしまいます。

 

原因は息子ピョートルです。

彼は持って生まれた「人たらし」の能力で、目をつけた人には取り入って、味方につけ、自由に操ります。

逆に旧世代の人間は徹底的に馬鹿にします。

父親を、知事を、大作家を、あざけってさんざんになぶりものにします。

そのおちょくり方が、小憎たらしくて残酷で、その悪辣さの前には好々爺ステパンなんてあっという間にかすんでしまうのです。

 

実は彼には目標などありません。

彼が望むのはただ、混沌、です。

彼が革命家たちとつるんでいるのは、革命が新社会を作るからではありません、社会を混沌に陥れるからです。

とにかくあらゆるものを引っ掻き回してぐちゃぐちゃにしたい、彼はその欲求のために人に近づき、人をおちょくります。

 

シャートフとスタヴローギンの間で哲学的会話が交わされたりもしますが、正直言ってどうでもいいです。

中間部の面白さを担っているのは「混沌の猿」ピョートルのバイタリティです。


calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>
selected entries
categories
archives
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM