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潤一郎全集あれこれ(44)

無謀なチャレンジ「谷崎潤一郎全小説全あらすじ」いよいよスタートです。

 

〇二人の稚児

 

比叡山で修行を続ける十四歳の少年瑠璃光には、浮世の誘惑に負けて山を下りた千手丸という兄弟子がいた。ある日、千手丸の手紙が届いた。浮世は地獄ではないとその手紙は告げていた。しかし瑠璃光は迷いを断ち切り、来世を信じて二十一日の行に身を投じた。満願の日、夢の老人の言葉に従い瑠璃光は吹雪の山に入り、傷ついた一羽の鳥を見つけた。それは来世の伴侶の仮の姿だった。瑠璃光は鳥を抱き、雪の中で死んでいく。

 

ふう。

 

これでも四苦八苦して作ったのですが、「二人の稚児」を読んだことのある人はきっとこう思うでしょう。

 

「こんな話じゃなかった」

 

そうなのです。

あらすじでは最初の50字にまとめるしかありませんでしたが、小説前半の面白さの中心は千手丸が担っているのです。

偉いお坊さんには浮世は魔境だと教え込まれている。

しかし自分が得た断片的な情報を総合してみると、どうやらそう悪いものではないらしい。

特に、悪の権化とされる「女性(にょしょう)」は、教えとは逆に、美しく心癒してくれるものらしい。

そうしてある日千手丸は山を下っていくのですが、そこに至る過程がとっても面白いのです。

 

一方原文ではおぼろげにほのめかされるだけのラスト。

あらすじでははっきり書かざるを得ませんでした。

原文を読んで感じた印象と、あらすじから受ける印象とは、我ながら全く別物です。

 

まあ、しかし、あらすじとはこういうものです。

 

……と、自分を納得させて作業を進めましょう。


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