ゾフィーは「私、あなたのことをよく知ってるのよ」と言ってオクタヴィアンを驚かせます。
まず年齢が17歳と2か月であること。
そして洗礼名も全部暗唱してみせます。
とっても可愛らしい場面です。
オクタヴィアンの正式名称はオクタヴィアン・マリアエーレンライヒ・ボナヴェントゥーラ・フェルナン・ヒアシント・ロフラーノということになります。
ロフラーノは姓というよりも領地の名前だと思いますが、ロフラーノという地名があるのは南イタリアです。
オーストリア帝国の最盛期でもここまでは勢力が及んでいなかったはずです。
神聖ローマ帝国から続く由緒正しい貴族なのかもしれません。
ところでゾフィーはオクタヴィアンを「貴族名鑑」で以前から知っていたかのようにしゃべっていますが、微妙に嘘です。
毎晩「貴族名鑑」を読んでいたというのは本当でしょう。
でもオックス・フォン・レルヘナウの系図をたどってもオクタヴィアンに行きつくはずがありません。
血族ではなく、最低でも6親等離れているので。
オクタヴィアンにたどりつく方法は一つです。
テレーズの系図を調べた場合のみ、ゾフィーはオクタヴィアンの名前を発見することができます。
おそらく前日の夜にオックスはファニナルに薔薇の騎士の名前を伝えたのでしょう。
「元帥婦人のいとこ様がこの役を引き受けてくださった」と自慢したに違いありません。
それを聞いたゾフィーが急いでオクタヴィアンについて調べた。
ついでに名鑑に載っていない裏情報も侍女に調べてもらったのではないでしょうか。
(2024年3月15日)